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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
271/318

268.私にとっての蛇茨ちゃんとは?


第268話



「えっ?その...蛇茨ちゃんについて...ですか?」



蛇姫が話すと言い出した内容が予想外過ぎて私は少し困惑していた。てっきり、私と接触したいがために適当に蛇茨ちゃんを選んで誘拐していたものばかりだと思っていたのだが...



「えぇ、そうよ。あなたから聞きたいのよね!この子の事をどう思っているのかを...」



「やはり、あなたは私達のグループから適当に選んだのではなく、最初から蛇茨ちゃんをターゲットにしていて...わざわざ私を呼んだのも危害を加えるつもりではなく、単に私から蛇茨ちゃんの事を聞き出したかった...ですか?」



「さぁ、どうかしらね?」



蛇姫は流石にこの質問には答えてくれる気はなさそうだった。



「えぇ、話してあげますよ!蛇茨ちゃんは私の大切なお友達です!これだけは嘘ではありませんし、何があっても揺らぐ事はないでしょうね。」



「玲奈...」



私からの返答に蛇茨ちゃんは多少の嬉しさを織り混ぜたような表情で私を見つめていた。



「ふ~ん、言ってくれるじゃない。でも、蛇...ゴホン!この子の約束を破っておきながらそれは流石に都合が良いんじゃないのかしら?」



「えっ?約束...いったい、何の話ですか?」



心当たりは当然あるが...しかし、()()()()()()()()()()()()()()今、私の目の前にいる蛇姫が知るはずがない事だと私は思っていた。



......が、蛇姫の次の言葉ですぐにそんな予想が甘かった事を突きつけられる事になる。



「確か、グループディスカッション発表会とかいう学校行事の時のやつよ。ひょっとして忘れちゃったのかしら?」



「なっ!?それは...」



やっぱり、グループディスカッション発表会の事だったか...しかも、この詳しそうな様子からして蛇茨ちゃんから何かしらの方法で聞き出したと見て間違いないだろう。



(それよりもだよ!何て説明すればいいの!?)



あの時、急に体が私ではない何者かに乗っ取られて口が勝手に動いただなんて説明しても誰が信じてくれるというのだろうか?



うん、仕方ない...ここは上手く誤魔化すしか...



「今、上手い事を言って誤魔化そうと思ってたでしょ?」



「えっ!?」



「こう見えても私は洞察力には自信があってね。相手が嘘をついてるかついてないかの見分けぐらいはつくの...」



うわぁ...完全終了じゃん。私が嘘を言おうとした事がバレた時点で交渉決裂...蛇茨ちゃんに危害が加えられてもおかしくはない。



(最悪の場合、力づくでも蛇茨を!それなりに武術全般は習ってるし...)



そう覚悟を決めた私が身構えた時だった。



「ねぇ、実は前から気になってたんだけどさ...あの時の...グループディスカッション発表会の時の発言は()()()()()()()()()()()?」



「えっ?蛇茨ちゃん、それはどういう事でしょうか...確かに私が喋っていたではありませんか。」



ひょっとして蛇茨ちゃんが私の体を何者かが操っていたという事実に気づいた!?



いや、まさかね...



「その...私の直感なんだけどさ、あの時の玲奈は()()()()()()()()みたいな気がして...自分でも何を言ってるのか分かんないんだけど...」



「私が...」



「なるほど、あなたのその反応からすると...図星と見てもよさそうね。」



何と!そのまさかだったー!しかも、他人の嘘を見抜けるとかいう蛇姫に断言されちゃった以上、もう言い逃れはできないだろう...



「あのね?玲奈、最初の頃は私と姫由良と仲良くしているのは何か裏があると思ってた。でも、一緒に過ごして...時間が経つにつれて分かったの。玲奈が本心から私達と友達になりたいって思っていた事が。」



「蛇茨ちゃん...」



私も最初の頃は姫由良ちゃんと蛇茨ちゃんと仲良くしていた理由は将来の自らの破滅を回避するための保身としての側面が強かったのだ。いつからだろうか?姫由良ちゃんと蛇茨ちゃん...ミラピュアでは玲奈お嬢様の敵だったはずのこの二人と本気で...友達になりたいなんて気持ちが芽生え始めていたのは...



「だからこそお願い!私はどんな理由でも信じるから...だから、本当の事を教えて!」



「そうね、私にもお聞かせ願えるかしら?その答え次第でこの子がどうなるかも決まるから。」



どうやら、もう後には引けないようだね...



(私が玲奈お嬢様に転生なんて...蛇茨ちゃんはともかく、蛇姫は信じてくれるのかな?)



不安な点は残るが同時に...いっそ、この二人には正直に話してしまうしかないのでは?という考えも浮かんでいた。ここで下手な嘘をついても何の利にもならないからだ。



「分かりました...信じられないかもしれませんが、今から私が話す事は全て事実です。」



「うっ...うん。」



腹を括った様子の私を見て、蛇茨ちゃんも私の覚悟を読み取ったのか、真剣な眼差しで私の話に耳を傾けた。




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