25.黒い笑顔?
今回は短めです!
第25話
「では、玲奈様!ムカデ競走の練習を始めましょうか‼」
「えぇ、そうですね。」
その日の放課後、私は清芽ちゃんと奏ちゃんと一緒にムカデ競走の練習をすることになった。ムカデ競走といったら5~6人で一組でやるのが普通なのだが、明成学園では1年生は体力的な問題から難易度を少し下げるという形で3人一組というルールになったらしい。
「では、まずは私が先頭で真ん中が玲奈ちゃん、一番後ろは奏でやっていきましょう。」
というわけで最初の順番は先頭が清芽ちゃん、真ん中が私、一番後ろが奏ちゃんということになり列を作った。私は先頭の清芽ちゃんの肩に手をのせ、奏ちゃんは私の肩に手をのせていた。
「それでは行きますよ‼いっちに!いっちに!」
『『いっちに!いっちに!』』
私達3人は声を合わせながら走り始めた...が、
「玲奈さまぁ‼」
「ちょっ...奏ちゃん⁉」
私の肩に手をのせていた奏ちゃんが自分の体を私の背中に押しつけてきたのだ。私はなすすべもなく背中全体で奏ちゃんの温もりを感じてしまう。
「あっ‼あっ‼奏ちゃん‼」
「玲奈様の匂い...玲奈様の背中...いい~‼」
奏ちゃんは今度は耳元や首筋に顔を近づけてきた。何とかして止めてもらわないと...このままでは私は開いてはいけない扉を開けてしまうかもしれない...
だがその一方で、
(奏ちゃんに抱かれて...耳元でささやかれて...う~ん、何だろう?これも悪くはないような...)
心のどこかでこんな事を思っていそうな自分もいて私は抵抗する事ができなかった。そして奏ちゃんに気をとられてた私はゴール地点に到着していた事にも気づいていなかった。
そして...
「お二人とも~~~~~?」
「あっ...」
私が見たのは一見笑顔だが明らかに目が笑っていない黒い笑顔の清芽ちゃんだった。
「清芽ちゃん?怒ってますか⁉」
「えぇもちろん、特に奏にですが...」
やばい...今の清芽ちゃんは明らかに人を殺しかねない目をしている。奏ちゃん‼早く謝って許してもらえ‼
「バレてたの?」
「当たり前でしょ!というか抜け駆けは禁止と言いましたよね⁉」
抜け駆け?の意味はよくわからないが清芽ちゃんが奏ちゃんにものすごく怒っているのは確かだ。
「順番交代です!次は奏が先頭で私が一番後ろでいきます‼では走りますよ!」
「えっ?はっ、はい...」
そんなわけで列を作って再び走り始めたのだがこの後、清芽ちゃんも...
何があったのかは皆さんのご想像にお任せします...




