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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
267/317

264.消えた?蛇茨ちゃん


第264話



「姫由良ちゃん!それってどういう事ですか!?」



「ちょっ...玲奈ちゃん、声が大きいよ...」



「あっ...」



私は思わず大声で姫由良ちゃんに問いかけてしまい、その声のせいで他の生徒達の視線が私達に集中してしまった。



「えっと...」



まずいね...ここが校門前とかいう目立つ場所だって事をすっかり忘れてしまっていたよ...



「こらっ!何をジロジロと見てるのよ!?単に玲奈様がたまたま大声を出しただけで...ほらっ!とっとと散りなさいよ!」



「皆さん、お騒がせして申し訳ありませんが、別に大した事ではありませんので解散していただけたらと...」



私の様子を見て空気を読んでくれたのか、咄嗟に機転を働かせた清芽ちゃんと奏ちゃんが上手く対応してくれた結果、周囲にいた生徒達はビビった様子で蜘蛛の子を散らすように散り散りになって校舎内へと消えていった。



う~ん、何か私達が皆を威圧するみたいになって多少の申し訳なさを感じてしまったんだけど...今ばかりはそれどころではないので仕方がないだろう。



「ゴホン...改めて聞きますが、それはどういう事なのですか?」



「言葉の通りだよ...今日の朝になって家に電話がかかってきたの!それで蛇姫って人から『大坪蛇茨を預かった。彼女に危害を加えられたくなかったら、今日の午後8時30分に岩倉玲奈を今から指定する場所に連れてこい。また、この事は玲奈グループの同級生メンバー以外には絶対に口外しないように』って...」



いやいや!色々とツッコミどころが満載なんですけど!?



(...何で、わざわざ姫由良ちゃんを経由して...いや、それは蛇茨ちゃんの親友である事を考えれば無理はないね...問題はその蛇姫とかいう人間が何の目的で蛇茨ちゃんを?それに時間指定までして!?)



姫由良ちゃんの話が本当なら相手の目的は単に身代金ではない事だけは明らかだ。それだったら、普通に大坪家に直接連絡すればいいよね...わざわざ姫由良ちゃんを経由する必要もないし、私を呼び出す必要もないはずだ。



「玲奈様!どうしましょう!?このままでは蛇茨の身に危険が...」



「玲奈ちゃん、お願い!蛇茨ちゃんを助けて!」



「玲奈ちゃん、私からもお願いします!」



奏ちゃん、姫由良ちゃん、優里ちゃんは蛇茨ちゃんの身を案じているのか、必死になって私に訴えてくる。



一方で清芽ちゃんが一言も発しないのがちょっと気になっている。本人は俯いているようだけど...



(きっと、清芽ちゃんは蛇茨ちゃんがこんな目に遭っているのに何もできない自分が悔しいんだろうね...だから、俯いているに違いない...)



そうに違いない。何せ、玲奈グループの絆は強固なものだ。清芽ちゃんが蛇茨ちゃんの事を心配していないわけがないもの...



「そうですね...幸いにも時間に余裕はあります。おまけに今日は新学期最初の登校日なので午前終わりです。第三者にこの一件が知られて広まってしまえば、蛇茨ちゃんに危害を加えられる可能性も否定できないでしょう...ここは何事もなかったかのようにやり過ごしましょう。」



「分かりました...」



「玲奈ちゃんに従うよ...」



「蛇茨ちゃんが心配です...」



「......」



こうして、私達の方針は固まったわけだけど...本当に清芽ちゃんがさっきから、無言なのがちょっとだけ気になるんだよね...




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