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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
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24.昼食での話題は...


第24話



運動会の種目決めを終えた私達は昼食をとりに食堂に向かう途中だ。私達は誰でも入れる一般食堂に行く事もあれば、三聖室専用の食堂に行く場合もある。それぞれメニューが違うのでその日の気分で選ぶのだ。今日はどちらにしようかと迷っていた時だ。


「玲奈ちゃん‼清芽ちゃん‼奏ちゃん‼みんなで一緒にお昼を食べようよ‼」


「そうですね...二人ともよろしいですよね?」


「はい!今日は一般の方にしますか。」


「このメンバーなら決定事項ですもんね‼さぁ、行きましょう‼」


姫由良ちゃんの可愛らしい鶴の一声で一般食堂に決定した。最近ではたまに姫由良ちゃんと蛇茨ちゃんを交えて5人で昼食をとる事がある。その時は一般食堂にすると決めているのだ。






・・・・・


「それでね!私が選んだ種目で一番自信があるのがリレーなんだよ‼」


「私はムカデ競走ですかね。」


「私も‼」


食堂に着いた私達5人は昼食をとりながら運動会の話題をしているところだ。


「優勝するのは4組!絶対に勝つからね‼」


「望むところよ‼蛇茨‼2組だって負けないんだから‼去年優勝してるしね‼」


「あら、奏。今年は『蛇チーター』の異名をもつ私がリレーに出るんだから4組の優勝は決まったようなものよ。」


「何?その異名...ていうか、リレーだけで勝敗は決まらないんだよ!」


明成学園の運動会は赤組対白組とかみたいな2大勢力合戦ではなく、全学年の1組、2組、3組、4組、5組がクラス事にチームになって争うクラス対抗戦式だ。その優勝をめぐって蛇茨ちゃんと奏ちゃんが早くもバチバチしている。


一緒に過ごすうちに蛇茨ちゃんは以前より明るくなり私達とも姫由良ちゃんと同じ態度で接してくれるようになった。特に奏ちゃんとは性格が似てる事もあって相性がいいようで二人のこうしたやり取りだってもう慣れっこになっている。


「まぁ、4組は種目決めの際にひと悶着あったけどね...」


『『あぁ...』』


私が想定していた問題だった。詳しく話を聞いてみたところ、残る定員1人の種目に4組のとある貴族令嬢と平民女子が立候補した。どちらも一向に譲る気配がなく、結局担任が貴族令嬢を優先したのだがその結果、平民多数の4組の雰囲気は最悪になりみんなギスギスしながら種目決めを続けたのだとか。


「自分がやりたい種目があっても、貴族と被ったら譲らないといけないから自分達は人気のない種目しかできないとかで不満だらけでさ...」


「やっぱりそうなったか...」


貴族からしてみればなぜ卑しい平民に自分達が妥協しなければならないのかと思うし、平民からみれば貴族達は好き勝手に振る舞ってる憎たらしい奴と捉えられる。まさかこんな運動会の種目決め程度の事でこうなるとは...


「4組だけ雰囲気最悪でちょっと悲しいな...他のクラス、特に5組が羨ましいよ...」


「姫由良ちゃん...」


姫由良ちゃんが言うには4組と同じく5組も平民多数だがそう揉める事はなかったらしい。これは5組に配属された貴族達が全て地下家の人間で感覚がほぼ一般人と大差なく、おまけに人柄も良い子達が揃っていたからだと思われる。それにしても悲しんでいる姫由良ちゃんも可愛らしい!抱き締めたい‼


「悲しまないでください!姫由良ちゃんのそんな顔みたくありません。」


「きゃっ‼玲奈ちゃん...」


「あっ‼ごめんなさい...」


気づいたら私は本当に姫由良ちゃんを抱き締めていたようだ。慌てて謝って姫由良ちゃんから離れようとしたが、


「もっと...玲奈ちゃん...私の大好きな玲奈ちゃん‼もうしばらく抱き着いてて‼」


「はっ...はい‼」


こんな可愛らしい顔の美女にこんな甘~い声で頼まれれば私が断れる筈がない。姫由良ちゃんなみのお友達とのスキンシップなのだろうか?それならば私が姫由良ちゃんを抱き締め続ける事にしようと思った時だ。


「玲奈ちゃん、姫由良ちゃんばかりズルいです!」


「玲奈様‼姫由良と一緒に私も抱いて下さい!」


「ちょっ...玲奈...私も‼」


今まで蚊帳の外だった3人が一斉に私に抱き着いてきた。まるでお団子みたいな状態になっている。美女4人相手に抱き着き心地もいいが抱き着かれ心地も最高だ。


(何だろう?この感覚は、心地いいな...ただお友達とじゃれあってるだけなのに...)



だが、私はこの疑問に答えを出す事はできなかった。今は一先ず1秒でも長くこの状態でいたい...




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