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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
259/316

256.クリスマスデートの尾行者達 その④

デート回はこれにて終了です。


第256話



玲奈と兼光のクリスマスデートを尾行している人物は他にもいた...



(私が玲奈ちゃんのクリスマスデートを尾行だなんて...バレたらどうすればいいのでしょうか...)



清芽や奏と違って河合優里が玲奈と兼光のクリスマスデートを尾行していたのは決して自発的な理由ではない...()()()()()()()()()()()()()で尾行していたのだ。













・・・・・


『河合優里くん、君は私の協力者になる気はないかね?』



玲奈の叔父である岩倉昭三からそのような提案されたのは今から1年前の梅雨、優里が一人だけ抜け駆けして風邪を引いてしまった玲奈のお見舞いに行った...その帰り道の事だった。



『えっ?協力者...この私がですか?』



『あぁ、玲奈の友達の中でも君が一番適任だと思っていたんだよ。』



昭三は笑いながらそう言った。その言葉が本心からなのか、実は腹芸なのかは分からない。加えて表情からも正確に読み取るのは難しい...やはり、地下家出身の子供と公爵家出身の大人では乗り越えてきた場数が違うのだ...優里は少しだけ迷っていた。



それでも、玲奈の叔父を名乗る人物からの頼みを断れば今後の玲奈との関係に若干のヒビが入ってしまうかもしれない...それを避けたかった優里はとりあえずは昭三の話を聞いてみる事にしたのだ。



『それで、その...協力とは...私は具体的に何をすればよろしいのでしょうか?』



『簡単な事だよ。玲奈本人や周りの子達の日常での様子を観察して不定期でも構わないから、私に報告してほしいんだよ。』



『えっ?玲奈ちゃんや他の皆を...観察ですか?』



その言葉を聞いた優里は驚きながらも、昭三から詳しく話を聞いてみた。



昭三曰く、可愛い姪の身に何かあった時に自分がすぐにでも対処するためだと言う。確かに一理ある話ではあるのだが、それが本当かどうかは分からない。逆に玲奈が自分にとって不利益な行動に出ないように()()()()()()()と言っているようにも聞こえたのだ。



『その...少し考えたいので、ご猶予を頂けないでしょうか?』



『うむ、別に構わないよ。こちらの連絡先を渡しておくから、その気になったらいつでも連絡してほしい。』



『えぇ、分かりました...』



決心がつかずにとりあえずはこの場は保留という形で切り抜けた優里だったが、その後のグループディスカッション発表会での伊集院日咲達による騒動やゴールデンウィークでの高松是政による玲奈達の殺人未遂事件を得て心にとある迷いが生じていた。



(私...全然玲奈ちゃんの役に立てていません!このままじゃダメ...)



かつては奥田美留世一派に与していた過去を持つ自身の事を玲奈はここまで取り立ててくれたのに対して、優里の方はその恩を返せるような働きが全くできていない。そんな焦りの気持ちが優里の脳内を支配し始めていた。



そして、



『もしもし、岩倉昭三様。以前の件について話があるのですが...』



『ほう、わざわざ連絡してくれたという事はついに答えを出せたという認識で構わないのかね?』



『はい、以前の件ですが.........私にやらせてください!』



『いい返事だ。私としても君のような協力者を得られるのは嬉しい事だよ。』



気づけば、優里は昭三の話に乗ってしまっていたのだ...













・・・・・


「さて、玲奈ちゃんは二条様と映画館に入って続けてクライムエコーに...途中で筑波百子と合流してっと...あとはクライムエコーで橋本くんと会っていましたね...」



玲奈と兼光のクリスマスデートが終わりに近づいていく中、優里は昭三への報告内容をまとめていた。



(玲奈ちゃん!私は絶対にあなたの役に立ってみせますからね!)



優里のこの選択が吉と出るのか、凶と出るのか...それはまだ誰にも分からないのだった...




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