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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
257/316

254.クリスマスデートの尾行者達 その②


第254話



玲奈と兼光の大方の予想通り、二人のクリスマスデートを密かに尾行していたのは清芽一人だけではなかった...



「ちょっと!何をしてんのよ!早くしないと見失っちゃうでしょ!?」



「言われなくても分かってるって...それと、あんたの声は大きすぎんだよ!全く...バレたらどうするんだ...」



ここにもまた...くだらない言い合いをしながら、玲奈と兼光のクリスマスデートを尾行している二人組の男女の姿があった。



「どういう意味よ!?私が日頃からうるさいって言いたいわけ!?」



「まぁまぁ、自覚はあるんだろ?奏様はよぉ...」



「そうだけど、師嗣...あんたに言われるとムカつくのよね~!馬鹿にされてるみたいでさ!」



「あのなぁ?されてるみたいじゃなくて、されてるんだよ!」



「はぁ!?何ですって!」



大炊御門奏は玲奈が兼光とクリスマスデートをすると知るなり、他のグループメンバー達の前ではは尾行なんてしない!と言い切っていたが、裏では従兄弟である師嗣に半ば無理やり協力させる形で尾行の準備をしていた。



そして、今に至るというわけだ。



その際になぜか奏に対してだけは生意気な師嗣が『なぁ、奏様~!尾行は単なる口実で本当は俺とデートしたいんだろ?』と言って引っ叩かれたのは別の話。実際に奏は師嗣を嫌ってこそいないが、恋愛対象としても見ていなかったのでこの師嗣の発言は愚問だろう。



「はぁ...とりあえず、怒鳴るのは少しやめてくれよ。さっきから俺達...とんだ誤解ばっかり受けてるだろうが...」



「そうね...」



クリスマスに男女の二人組という事で奏と師嗣は周囲の人々からはラブラブのカップル...ではなく、クリスマスに遊びにきた姉と弟が仲良く喧嘩していると勘違いされており、微笑ましい視線が二人に向けられているのだ。



「でも百歩...いや、一万歩譲ってマシな方よ。あんたとカップルと間違えられるのだけは地獄だからね。」



「やれやれ、何であんたの俺の好感度は此処まで低いんだか...」



「全ては日頃のおこないのせいに決まっているでしょうが!!」



「はいはい...」



そんな感じでくだらない言い合いを続けながらも、奏と師嗣は玲奈と兼光のクリスマスデートの尾行を続けるのだった。













・・・・・


「ちょっと!何で止めるのよ!?玲奈様達を見失っちゃうじゃない!?」



「はぁ...その理由も分からないのか?その天然っぷりを百歩譲って尊敬するぜ...」



玲奈と兼光がクライムエコーに入るのを確認した奏は自らも後を追ってクライムエコーに入ろうとしたところを師嗣に制止されてしまい、不機嫌になっていた。



「貴族達の間ではあんたは歌が下手な事で有名なんだぞ?それなのにクライムエコーに入ったらいるだけで騒動になるし、大恥を晒す事になるんだが?」



「うっ...それはっ...」



実際に奏が音痴なのは事実なので奏は何も言い返す事ができなかった。つい数年前もその音痴さが原因でとある騒動を起こしているくらいなのだから...



「分かったろ?とりあえず、俺達はクライムエコーの外で待機だ。」



「分かったわよ...だけど、ただ待機しておくだけじゃ暇だから交代制にしない?」



「はいはい、分かりましたよ...」



こうして、奏と師嗣はクライムエコーの前で玲奈と兼光が出てくるのを交代で待つ羽目になったのだった...




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