252.兼光とのクリスマスデートの終幕
修正版です!今回は個人的に後から読み返して出来に納得できなかったので新たに修正版を執筆しました!
252話
百子の勝負に巻き込まれる形になっちゃったけど、何やかんやでクライムエコーで歌った時間は充実できたものだと私は思っている。
「なるほど、クライムエコー...凄かったですね。兼光様が私にお勧めした理由が分かりましたよ。」
「そうだろ?今度はプライベートで行ってみてもいいぞ?運が良ければクライムの歌姫に会えるかもしれないからな。」
「ははは...それは無理だと思いますよ?だって、私はそこまでの幸運の持ち主というわけではありませんから...」
クライムの歌姫がクライムエコーに現れるという曜日や時間帯は共に完全にランダムらしく、今のところは残念ながら運良く出会うしか方法がないというのに...流石に二連続で出会えるなんてよっぽどの豪運の持ち主でなければ無理のはずだ。
クライムの歌姫がクライムエコーに現れるという曜日や時間帯は共に完全にランダムらしく、今のところは残念ながら運良く出会うしか方法がないというのに...流石に二連続で出会えるなんてよっぽどの豪運の持ち主でなければ無理のはずだ。
「はぁ...それはそうと、さっきからあいつらは何が目的なんだ?ひょっとして、俺と玲奈がデートをしているのに嫉妬だったりするか?」
「なるほど、それは十分にあり得ますね...兼光様を狙っているご令嬢の方は多いと社交界の方でも聞きますし、両親からも聞かされてますし...」
「ちっ...だとしたら、俺が好きなのは玲奈だけだというのが何で未だに分からないんだろうな?あいつらは...」
私と兼光が話題にしているのはデートが始まってから、ずっと私達の事を尾行している人物についての話だ。しかも、気配と足音からして尾行しているのは一人ではない...複数人なのは確かだ。
「どうする?いっそのこと、あいつらを問い詰めてみるか?」
「待ってください。今のところは私達の邪魔をするような素振りは見せていませんし...黙認しておきましょう。」
「そうか...玲奈がそう言うなら構わないが...」
尾行している人物の目的は不明だが、今のところは私達のデートの邪魔をするような素振りは見せていない。よって、今は放置しても構わないだろうと私は考えた。
「さて、そろそろ暗くなってきたし...夕食にするか!いいレストランを知ってるからついてきてくれ!」
「はい、分かりました。ご期待しておきますね。」
長かった兼光とのデートも遂に終盤に差し掛かっている。やっと終われて良かったような...終わるのがちょっとだけ名残惜しいような...色々と複雑な気分になっているのはなぜだろうか?
「その...兼光様?今日、私とデートができて...あなたは本当に楽しかったですか?」
「ん?どうしたんだ?急に...」
自分でも無意識にそんな台詞が口から出てしまい、私は驚いている。
(もしかして、グループディスカッション発表会の時と同じやつが今...いや、それとは明らかに違う...)
一方で兼光は私の無意識な問いかけに一瞬だけ困惑した様子を見せていたが、すぐに落ち着きを取り戻していた。
「当たり前だろ!好きな女とデートできたんだからな!そういう玲奈はどうだった?俺とデートして楽しかったか?」
「その...私は...」
正直に言わせてもらうと、かなり悩ませてくれる質問だ。私としてはあまり乗り気ではなかったのだが、ここは兼光に気を遣うべきなのか非常に迷う。とはいえ、デートそのものが全くつまらないというわけでもないし...
「えぇ、楽しかったですよ?」
果たしてその言葉は本心なのか?それとも、単に兼光に気を遣ってのでまかせなのか?
どちらなのか...その正解を知っているのは他でもない私自身だけだ...




