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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
248/316

245.見事にキュンとしちゃいました


第245話



「あっ!そろそろ、映画が...では!俺達はこの辺で失礼しますね!」



「そうですか、鎌瀬くんに西木崎さんとお話できて良かったです。クリスマスデートを楽しんでくださいね。」



「だ・か・ら!クリスマスデートじゃないってばっ!!」



どうやら、私達が話している内に鎌瀬くんが観たがっていた映画の上映時刻が迫ってきたらしく、彼は話を切り上げて私に挨拶を交わすと西木崎さんを連れてその場から去っていった。鎌瀬くんに腕を引っ張られている西木崎さんは面倒そうな態度を見せているが、心の底から嫌がる素振りは見せていない。



(ん?やっぱり...もしかして、あの二人って...)



どうやら、私は鎌瀬くんと西木崎さんの意外な一面を知ってしまったようだ。これは、冬休み明けの新学期から二人の見方が変わってしまいそうだね...



「お~い!玲奈!待たせて済まなかった!」



「兼光様、全然大丈夫ですよ。待っている間に鎌瀬くんや西木崎さんと偶然、会っていいお話ができましたから...」



鎌瀬くんと西木崎さんが私の元を去るのと入れ替わるようにしてトイレに行っていた兼光が戻ってきた。



「へぇ~!鎌瀬の奴はともかく、他人と馴れ合う素振りを見せない事で有名なあの西木崎もか?珍しい事もあるんだな~!」



どうやら、西木崎さんはいろんな意味で学園内にて名前が知れ渡っていたみたいだ。



「それはさておき、次はカラオケにでも行こうぜ!」



「いいですね。ですが、子どもだけで入れてもらえるのでしょうか?」



いくら、私達が貴族家の出身で高度な教育を受けて大人びているとはいっても、何も知らない一般の人達から見れば...私と兼光はただの小学生なんだけど...



「大丈夫だ。今から行くのは貴族達専用のカラオケ店だ。ほら、『クライムエコー』を知ってるだろ?」



「まぁ...あそこなら大丈夫そうですね。」



クライムエコーは爵位を授かっている貴族達のみが利用を許されているという最高級のカラオケ店だ。貴族であるならば、たとえ子どもだけでも入店は認められている。逆に一般人の立ち入りは認められておらず、過去にはそれが原因でとある騒動に発展した事もあるんだとか...



「じゃあ、行くか...と、言いたいところなんだが...玲奈。」



「はい?どうしましたか?」



さっきまで楽しそうな表情をしていた兼光が急に真顔になって私に小声で囁いてきた。あまりに突然だったので私もちょっとだけびっくりしちゃったよ...



「なぁ、玲奈は...気づいているよな?俺達を尾行している奴らの存在に。」



「えぇ、もちろんです。」



そういう事か...気配の消し方が下手くそな尾行だからそりゃ、兼光だって気づくだろうね...



「あいにく、今日はクリスマスデートの雰囲気をぶち壊さないという理由でお互いに護衛が近くにいないんだよな...何かあったら俺が玲奈を守ってやるからな?」



「あっ...はい!ありがとうございます。」



兼光の男らしい台詞にその時の私が少しだけキュンとなってしまったのは皆には絶対に秘密にしておこう...




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