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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
244/316

241.哀しき悪役達の末路とは!?


第241話



岩倉家の屋敷に帰宅した私は早速、高松是政の件について父を問い詰めていた。



「ほう、何で玲奈が高松是政に危機が迫っていた事を知っていたのかね?」



「えっ!?それはですね...まぁ、私にも独自の情報源があると思っていただければと...」



「なるほど、玲奈に独自の情報源がねぇ...中々、興味深い話じゃないか。」



夢幻世界にて私のご先祖を名乗る人が教えてくれたんですよ~!なんて言えるわけがないし、言ったところでとても信じてもらえるとは思わない。



なので、ここは少々強引に押し切るしかない。一応、麻呂さん自体は私の独自の情報源であるのは間違いないため、実は私は嘘は一切ついていないのだ。



「まぁ、今はそれに関しては置いておこう...肝心の高松是政についてだが、玲奈が言ったようにまずい状況になってしまっているんだ...」



「えっ!?まさか...」



「いや、幸いにも()()()()()()()()。だから、安心してほしい。」



父から告げられたその一言に私は少しだけホッとしていた。何せ、美冬ちゃんに最後の肉親を失うという悲しみを背負わせずに済んだからだ。



「しかし、よく聞いてほしい...高松是政は意識不明の重体に陥っている。いわゆる植物状態だな...よって、奴が意識を取り戻す可能性は極めて低いだろう...」



「何という事に...」



ある意味、死よりも残酷な末路に私は言葉が出なかった。



「お父様、相手はどのようにしてそんな事を?」



「分からないんだ...考えられるとするなら、留置所に出入りできる人間の中にやつらの手先が紛れ込んでいたという事だな。」



相手は高松家はおろか、中山家すらも操るくらいの大物だ。口封じのためにこんな非道な手段に出てもおかしくない...むしろ、当たり前なのかもしれない。



「弱ったな...他に捕まっていた奴らも先んじて始末されてしまった以上、検察もこれ以上は背後関係について調べるのは不可能になってしまったな...」



「そんな...」



岩倉家...いや、私は思った以上に大きな力を敵に回しているのかもしれない...この日、私はそう確信したのだった。同時にまだ美冬ちゃんにはこの事は内緒にしておこうとも誓ったのだった。













・・・・・


とある場所にて、



「お前ら、ほんとに使えないな!なぁ!?」



「もっ...申し訳ございません!!」



中山家の当主、中山広郷(なかやまひろさと)は目の前にいる()()()()()()()()に自らの失態を必死で謝っていた。



広郷を知る者から見れば、日頃の傲慢さとはかけ離れた低姿勢で土下座までして謝っているだなんて信じられない話だろう。



しかし、実際にそれがこの場でおこなわれていたのだ。



「ちっ!高松是政を上手く使えば、岩倉家の連中を抹殺できるんじゃなかったのかよ!?あぁ!?」



「本当に申し訳ございません!上手く交渉は成立しましたし、追っ手を雇えるくらいの資金も援助したのですが...」



高松家は子爵家といえど、過去の一件もあって財政的な問題に直面していた。広郷はそこに付け入り、『資金を援助する代わりに岩倉一族を抹殺するための手先になれ。』と是政と交渉をしていたのだ。



ついでに是政が恨んでいるであろう、三条家の娘やその友人達も始末して構わないと言うと、復讐心を刺激されたのか是政はこの取引に応じた。



ちなみに広郷には是政が単なる復讐心だけではなく...たった一人残された娘の将来ために高松家を少しでも豊かにさせたいという親心もあってこの取引を受け入れたのでは?とも思っていた。まぁ、自身には関係ないのでどうでもいい話だが...



そして、わざわざ追っ手を雇うための資金まで援助してまでのこの結果であり、逆に是政や追っ手の口封じに労力を使う羽目になったのだ。計画の発案者である広郷が責任を問われてしまうのも無理はない。



「はぁ...このザマじゃ、中山家のご当主サマもそろそろ用済みかもなぁ...」



「そんな!それだけはお許しください!態牙(たいが)様!もう一度だけチャンスを!」



熊牙と呼ばれた男にあっさりとそう告げられた広郷は必死に許しを乞う。彼...いや、組織に見捨てられれば自らに待ち受ける末路は分かりきっているからだ。



だから、藁にもすがる思いで態牙に土下座をして懇願する。



「だったら、挽回してみろや!いいか?俺の派閥の人間が失態を犯したという事は俺の恥でもあるんだ!今回の件でボスからお叱りをうけ、あいつらからは馬鹿にされる俺の身にもなってみろ!」



「はっ...はいっ!次こそは必ず!ちょうど明成学園に送り込んだ刺客もいますので...」



「次は...ないからなぁ?」



「はいっ!!!」



態牙から与えられたラストチャンスに広郷は今度こそは何としてでも、己に課された命令を果たさねばと心に誓うのだった。




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