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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
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21.面倒な⁉


第21話



なんやかんやで私が学園に入学して3週間が過ぎた。


今の所、貴族達と一般学生達の間で特に大きなトラブルは見られない。ゲームでは入学して早々に一般学生達が大規模な集団いじめに遭ったという設定があったらしいが、今世では貴族上位でそのいじめの主犯格だった玲奈お嬢様...つまり私がいじめを行わなかったのが大きいだろう。後に分かった事だが私が姫由良ちゃんと蛇茨ちゃんへのいじめを咎めている現場を見た者がいたらしく、その者が初等部に『岩倉玲奈が一般学生のいじめを良しとしない』という噂を流したらしい。それが影響している可能性も大だ。私としては破滅の可能性を少し下げれた事で満足している。


あっ!一応、変化した事はあった。この間、姫由良ちゃんの家に遊びに行けた事だ。姫由良ちゃんは最初こそ私達が貴族令嬢という事もあって何かと遠慮がちな点が目立ったが最近では普通の友達レベルまでに進展している。蛇茨ちゃんは相変わらずだけど前よりは私達に優しくなった気がする。やっぱツンデレというヤツなんだろうか?


そんな日常を過ごしていたある日の事だ。


この日、私は清芽ちゃんと姫由良ちゃんと昼休みを共にしていた。そして3人でワイワイ話ながら校庭を歩いていた時だった。


ガサッガサッ‼


(ん?)


校庭の裏の方から何かが蠢いているような音が聞こえた。


「なっ...何でしょうか?」


「イノシシでも逃げ込んで来たんじゃ...」


(姫由良ちゃん、イノシシって...)


野良猫ならまだしもイノシシなんてこんな都会のお嬢様学園にそう現れたりはしないだろう。姫由良ちゃんはどこか他の人とは違う常識離れた面がある。まぁ、そこも可愛いんだけどね‼


「見に行ってきますね。」


「玲奈ちゃん、私も行きます!」


「私もです‼」


てなわけで3人で音がした方を覗いてみると...


「ない‼ない‼ない‼私の10円玉よ~どこだああぁぁぁ‼」


「全く10円玉ぐらいでみっともない!今、紛失物探査機ふんしつぶつたんさきを修理してる所だから待ってな‼」


「あんたのところのその発明品のせいだよ‼というかねぇ‼たかが10円されど10円だからぁぁぁ‼」



『『.........』』


その光景を見た私達は言葉が出なかった。清芽ちゃんに至ってはやれやれとした表情でため息をついている始末だ。


(うわぁ...面倒くさそう。早くこの場を去るのが身のためね。)


そう思ってこの場を去ろうとした私だがそうはいかなかった。


「すいません‼こんな所で何してるんですか?」


(ちょ...姫由良ちゃああぁぁぁん‼)


空気を読めなかったのか、お人好しが過ぎるのか分からないが姫由良が二人に声をかけたのだ。優し過ぎるのもいいのだがこういう場合はねぇ...


「それが私の大切な10円玉が...って‼岩倉様ではありませんか⁉」


「ほんとだ!本物の岩倉様だ‼」


二人は私の存在に気づくと憧れの目線で私を見てきた。その二人の顔を見て私は察した。この二人との出会いは必然だったという事を。


「お二人とも名前をお聞かせ願えますか?」


一応、知っていたのだが念のため聞いてみる。


「岩倉様、初めまして‼私は富小路真里愛とみのこうじまりあです!」


「岩倉様‼私は岡崎雛恵おかざきひなえだよ‼よろしくなのだ‼」


(はぁ...やっぱりね...)



私はこの正反対の二人組の正体も確信した。何故ならば、この面倒くさい二人もまたゲームの玲奈お嬢様の取り巻きの一員なのだから...




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