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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
227/317

224.メスガキ忠犬と真面目忠犬


第224話



今城美織と長寿院敦鳥。



この二人は何故だかお互いに顔を合わせる度に喧嘩になってしまうという関係なのだ。



そもそものきっかけはというと...ゴールデンウィーク明けからしばらく経ったある日の学園にて美織ちゃんが今みたいに私に甘えてきている場面を偶然、敦鳥ちゃんに目撃されてしまったところから始まった。



そこから、お互いに自己紹介して相手側の事情を知る事になったのだが...どうやら、敦鳥ちゃんは美織ちゃんが元々は中山家の刺客の協力者として私に近づいてきたという経緯や本人の言動を快く思っていなかったらしい。早速といっていい程、美織ちゃんに喧嘩を売りに行ってしまった。



美織ちゃんも美織ちゃんで敦鳥ちゃんが生真面目すぎるくせにいい子ちゃんぶっており、自分に厳しい言葉を投げかけてくる嫌な先輩という認識で気にくわなかったらしい。その結果、この日以来...二人はお互いに会う度に喧嘩をするようになった。



まぁ、喧嘩といっても...殴り合いとかじゃなくて、お互いに軽い言い争いや私を巡るマウント取り合いといったものだっため、私や私以外のグループメンバーも特にそこまでは気にしていなかったんだけどね...



そんなわけで...美織ちゃんと敦鳥ちゃんが同時に私の家を訪ねてきてまたしても喧嘩になり、今に至るというわけだ。



「いや~!そもそもなんですよ~!何で長寿院先輩は私を敵視するんですかね~?私だって中山家の連中に無理矢理従わされていたようなものなんですよ~?決して本心なんかじゃなかったんですから~!」



「それでもですよ!今城様は玲奈お姉様を陥れようとしていた連中の仲間ではありませんか!そんな方が手のひらを返すように玲奈お姉様とくっつくなんて!私は我慢なら...いいえ!心配なんです!」



さすがは敦鳥ちゃん...グループディスカッション発表会での日咲の一件で吹っ切れた事もあってか、前よりも肝が据わってきている感じだね。



例え家格が上の美織ちゃんを相手にしても全くといっていいほど、怯えるような素振りを見せてないんだもの...そこまでして私のために尽くすその姿はまさに忠犬とも言えるのかもしれない。



(あれっ?というか、私が美織ちゃんと敦鳥ちゃんに教える事なんてあるかな?)



まぁ、それはともかく...私の心配をしてくれるのはありがたいのだけど...少しばかり、私情も混ざっている気もするんだよね~?



「えぇ~?でも~!それを言うなら、長寿院先輩だって人の事を言える立場じゃなくないですか~?確か、島津様のために玲奈様と陽菜様を悪者扱いしたそうじゃないですか~?宮ノ楯先輩から聞いたんですけど~?」



「なっ...!ううっ!」



美織ちゃんの反撃の言葉に敦鳥ちゃんは項垂れてしまう。メスガキを思わせるような物言いだが一応、事実ではあるので敦鳥ちゃんも反論できないようだった。



(肝っ玉と忠誠心では敦鳥ちゃんの勝ち...トーク術と狡猾さでは美織ちゃんの勝ち...といったところかな?)



とはいえ、このままでは収拾がつかなくなるし、ちょうど二人に頼みたい事もあるからね...そろそろ止めに入るとするか...



「はい、そこまでです。これ以上、喧嘩をするなら両方とも帰っていただきますよ?」



「は~い...」



「すみません...」



私がそう言うと、二人はさっきまでの言い争いから嘘のように静かになった。これ以上、続けてもお互いに利がないと判断したのだろう。



「こんな形で会う事になるとは予想外でしたが、ちょうど良かったです。二人に頼みたい事があります。」



「わ~お!久しぶりの仕事ですね!私にお任せを!」



「玲奈お姉様!あなたのためならば、何なりと!」



どうやら、二人も乗り気のようだね。断られるような心配はなさそうだ。



「私の頼みはですね...二人にそれぞれ、ある人物について探っていただきたいのです。」



「なるほど~!それはいったい、誰ですかね~?」



「玲奈お姉様!私はどなたを探ればよろしいのでしょうか?」



うん、やる気満々でよろしい!では、遠慮なく頼むとしようかな?



「美織ちゃん、あなたは...今帰仁修羅ちゃんを...敦鳥ちゃん、あなたは...亀寿ユメさんを...それぞれ、()()()()()()()()()()()?」




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