217.公爵令嬢としての自覚を持て
先程はうっかり、修正前のやつをあげてしまいました...こちらが本来あげる予定だったやつです!申し訳ありません...
第217話
「美織ちゃん!それは本当なのですか!?」
あまりにも衝撃的な展開に私は思わず美織ちゃんに聞き返してしまった。端からみれば公爵令嬢らしからぬ振る舞いだが、今はそんな事を気にしている場合ではない。
「はい!もちろんです!私が玲奈様に嘘をつメリットなんてちっともありませんし~!」
うん...まぁ、そうだよね?
自身の過去や正体を明かしてまで私の味方だと宣言した美織ちゃんが今になって急に嘘をつくメリットはないもんね...
でも、だとすると展開が唐突すぎないか?私自身が是政の計画を知ってまだ、3時間ちょいしか経ってないんだけど!?
「というか、玲奈様がそんなに驚くような話ですかね~?私は当たり前だと思っていたんですけど...」
「ええっ!?どうしてですか!?」
いやいや!何で美織ちゃんはそこまで冷静でいられるのかな?いくらなんでも早すぎるとか思わないわけ!?
「だって高松家が喧嘩を売った相手は岩倉公爵家ですよ?どう考えても格が違いすぎるじゃないですか~!」
「あぁ...」
言われてみれば、美織ちゃんの言う通りなのかもしれない...
同じ貴族家でも、高松家が子爵家なのに対して岩倉家は公爵家なのだ。周りからみれば家の力の差は歴然であり、公爵家の権力を用いればこういう結果になってしまってもおかしくはない...
(そうだったね...私とした事がうっかりしてたよ...)
そう...前世では単なる一般人でしかなかった私はたまにミラピュアの世界における常識を忘れてしまうという悪い癖があるのだ...
今後のためにも、ほんとに治さないといけない癖だと思っているよ...
「やれやれ、全く...中山家の人間達のせいで危うくとんでもない目に遭うところでしたよ...」
「あれっ?今回の一連の騒動は単に高松是政の暴走が原因じゃないですか~!何で中山家の名前が出てくるんですかね~?」
美織ちゃんはそう言って惚けるがその言い訳は少しばかり無理があるんだよな~。
なぜかというと...
「私はあなたには家族と喧嘩して家出したとしか説明してませんでしたよ?それなのになぜ、あなたが高松家が私を狙ってる事を知ってるんですかね?」
「あっ...えっと...降参です。玲奈様の言う通り、今回の件は中山家も関与してますよ...」
やっぱりか...高松家が自らの意志で行動したにしてはどこか違和感を感じてたんだよね...
そして、美織ちゃん。刺客の隠れ蓑としてそれなりの教育を受けたといっても所詮は小学1年生。最後の最後で爪が甘かったね...
不覚にも、そんな部分がちょっと可愛いと思ってしまったのは秘密だ。
「美織ちゃん。この際なのではっきりと申し上げますが、私はあなたを完全に信用したわけではありません。」
「ええっ~?わざわざ、自白したのにですか~?何なら刺客の子が誰なのか教えてあげてもいいですよ?」
「いいえ、結構です。それが事実である保証はどこにもありません...というか、あなた自身も刺客の正体を教えられていませんよね?」
「へぇ~、そこまで...」
まぁ、私が刺客の子の正体を知りたいのは確かなんだけどね...
だけど、私の脳が微かな危険信号を出してるんだ...
【今城美織という少女にはまだ何かある...と】
「まぁ、そうですよね...そんなにすぐには信用してもらうのは難しいですよね...なので、信用を得るために今後も玲奈様にアタックしますね!」
「はぁ、好きにしてください...」
「ちょっと玲奈お姉ちゃん!?そんなのダメだよ!...島津憩美だけでも厄介だったのに更に増えるなんて...」
なぜか陽菜が反対しているみたいだけど、ここで断ったところで美織ちゃんの性格だと突っ張ってくるだろうし、中山家側に対抗するための味方は少しでも確保しておきたいから妥協しておこうかな...
「さて、今回の一件も無事に解決した事ですし...私達はそろそろ帰りますね。美織ちゃん、匿ってくれてありがとうございました。」
「お気になさらず~!これからも玲奈様のために尽くしますので!」
「まぁ、期待してますよ...」
ふぅ、やっと家に戻れるよ...私としては一刻も早くこの疲れを癒したいね...




