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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
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210.決死の逃避行


第210話



とりあえず、是政と美冬ちゃんの処遇には陽菜にも納得してもらえた。



(是政はともかく、美冬ちゃんに関してはうちの親が納得してくれるだろうか?...いや、何とか私から上手く説得して...)



陽菜からは、ついでにせめてもの慈悲として是政に対する罰も少しでも軽くしてほしいと言ってこられたが、こればかりは被害届を出して警察に任せる事になるだろう。私も鬼ではないので私刑をおこなうつもりは一切ない。是政の刑罰がどこまで軽くなるかどうかは裁判次第であり、私にだって分からないのだ。



罪状が監禁罪で留まるなら10年近くで刑務所から出てこれそうなんだけど、それに傷害罪...ましてや殺人罪が加わった場合、無期懲役という結果もあり得てしまうのだ。面会以外はずっと父親と会えない生活なんてただでさえ、母親と姉を失っている美冬ちゃんからすればあんまりなものだろう。



なので、私からは是政が莱們ちゃん達に危害を加えないように祈っておく事しかできないだろう...



(というか...さっきから、無事に事件が解決して私達や莱們ちゃん達が生還できて、是政が捕まる前提で話してるけど...本当に大丈夫なのかな?)



人は時に誰もが予想だにしなかった行動に出るものなのだ。是政がそのタイプに該当していないと願っておこう...



「玲奈お嬢様、どちらに向かいましょうか?」



「そうですね...」



さて、ここからが悩みどころだ。



なぜなら、



(私達、どこに逃げるべきなの!?)



そう...避難先についてである。



さっき、陽菜から聞いたように『是政が岩倉家の屋敷に刺客を送っている』という事が事実なら、岩倉家の屋敷に逃げるというのは危険だろう。



「玲奈お姉ちゃん...これから私達はどうなるの?」



「陽菜、大丈夫ですよ...私があなたを守ってあげますから!」



「ううっ...」



陽菜を宥める間にも私は避難先を絞りこんでいた。



まず、奏ちゃんや清芽ちゃんといった同級生のグループメンバーの家は除外だ。せっかくのゴールデンウィークにこちらの事情に巻き込む真似はしたくないし、何より巻き添えで皆の命が危険に晒されるのは避けなければならない。



次に下級生のグループメンバーの家も除外するつもりだ。理由は同級生のグループメンバーと同じように巻き添えにされるのを避けたいというのもあるが、下級生のグループメンバーは高松家よりも格に劣る家が多いため、刺客から私達を絶対に守ってくれるという保証がないのだ。同じような理由で嘉孝さんの家も選択肢から外しておく。



なら、上級生の奈乃波さんと言いたかったが...残念な事に現在、烏丸家は一家揃って海外旅行に出かけていて家を留守にしていたのだ。流石に留守中に家に無断でお邪魔するなんて真似はできない。



叔父の昭三という選択肢もある。だけど表面上は善人だが、内心では腹に黒いものを溜め込んでるくらいの男だ。膨大な見返りを要求される恐れがあるので個人的には選びたくはない。



あれっ?こうして見ると...意外と逃げ場がなくない?ちょっとまずいんじゃ...




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