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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
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19.説明会


第19話



「はい‼ここが三聖徳会メンバー専用の教室、略して三聖室さんしょうしつだよ‼」


(何度見ても広いなぁ...)


私達、1年生は烏丸さんに案内されて学園の最上階にある三聖室に到着した。中はとても広くたくさんのテーブルや椅子が並んでおり、読書コーナーやテレビ、あげくに専用の食堂まで用意されている。明成学園初等部は6階建てで1~4階までが各学年の教室や授業で使われる教室等で5階が三聖室だ。ちなみに6階は...訳あって滅多に人は訪れない。そのため三聖徳会メンバー以外が訪れるのは4階までだ。


「それとルールだけど、三聖室は基本的にメンバー以外の立ち入りは禁止!この部屋は選ばれし者だけの場所だからね‼今から皆にはメンバーの証のバッジを配るからちゃんと制服に着けるんだよ~。」


そう言うと烏丸さんは青い星の形をしたバッジを皆に配り始めた。


「へっへっへ~玲奈ちゃんと一緒...」


「お揃いお揃い...」


清芽ちゃんと奏ちゃんが何やらボソボソ呟きながらバッジを着けていた。よっぽどこのバッジのデザインが気に入ったのか?あるいは三聖徳会メンバーの証が貰えたのが嬉しかったのだろうか?


「おやおや、今年も新しいメンバーが増えたようだね。僕は嬉しいよ。」


「たっ...玉里たまざと様‼」


私達がバッジを着け終わるのを待ってたかのように一人の上級生が私達の前に現れた。高身長でびしっとした佇まいの男子だ。


「しょ...紹介するね‼この方は玉里鳳凰たまざとろうおう様、初等部三聖徳会の現会長だよ‼」


(そうか、確か会長をやった事があるって設定だったよね...)


ゲームでは玉里鳳凰は学園のOBとして登場しルートによってはヒロインと攻略対象の後ろ盾となってくれるお助けキャラだ。私も鳳凰の事は印象に残っている。お助けキャラという事となんか名前の漢字が難しい人がいたな~という事でだ。


玉里家は薩摩島津家の分家で公家ですらなかったが先祖が国家の危機を救う大功績を挙げた事で公爵の爵位を授かった家で岩倉家と同じく成り上がりの公爵家だ。といっても、元々公家であった岩倉家と違い、向こうは武家、しかもその分家だったため公爵家の中では立場は文句なしの最下位なのだが。


「皆、そう畏まらなくてもいいんだよ。僕の事は公爵家の人間とは思わず、ただの上級生だと思ってくれればいいさ。」


「いいえ‼玉里様‼そういうわけには...」


ゲームでも玉里さんは相手が三聖徳会メンバーでもそれ以外でも分け隔てなく接していた。もちろん、ヒロインにもだ。そんな彼の性格は初等部から変わらなかったのだろう。


(うん?そういえば、烏丸さんは何で慌ててるんだろう?)


烏丸さんはそれまでは天真爛漫ではつらつとした口調だったが鳳凰が現れた瞬間からすっかり萎縮してしまってる。何か弱みでも握られてるのだろうか?


(玉里さんは普段はあれだけど敵対してくる者には容赦なかったからな~。)


となると烏丸さんは以前、玉里さんと敵対したのだろうか?まぁ、私にとってはどうでも良いことだが。


「でっ...では、ルールの続きを説明するね...」


「うん、よろしくね。烏丸さん。」


「あっ、はっ...はい‼」


この後、何故かすっかり萎縮してしまった烏丸さんの説明を終えた後、新入生は自分の派閥のメンバーとの顔合わせを済ませてその日は解散となったのだった。




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