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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
208/316

205.ポップコーン騒動


第205話



ゲームセンターの中は以前に来た時と比べるとゲーム機の種類が幾つか増えており、スペースも一回り広くなっていた。おまけに休憩室なるスペースまで増築されているくらいだった。



「ねぇ、岩倉先輩!早く行きましょうよ~!」



「早く!早く!」



「ちょっ...愛沙ちゃんに智秋ちゃん!そんなに走らなくともゲームは逃げませんから...」



走り出した愛沙ちゃんと智秋ちゃんを制止しながら、私も二人の後を追う。



ただでさえ、以前よりも広くなった店内で迷子にでもなられたら非常に困るのだ。



「岩倉様、うちのお嬢様がご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません!」



「本当にすみません!どうかお許しを!」



「いえいえ、二人が今日という日が楽しみで仕方ないという気持ちは私は当然、理解していますよ?なので、そう固くならないでください。」



愛沙ちゃんと智秋ちゃんの様子にそれぞれ、二人の従者と思わしき大人が謝罪の言葉を述べてきたが、別に私はその程度の事でキレるほど器は狭くないし...わざわざ、そこまでして謝ってくる必要はないからね!?



「...あの二人の家は従者がいるとはいえ、一般家庭なのです。貴族というものが自分達とは雲の上の存在という先入観を持ってそうな以上、日頃から貴族相手に少しでも粗相があったのなら、誠心誠意謝っておくべきだとかを...従者に教え込んでるんじゃないでしょうか?」



「なるほど...」



まるで、私の心を見透かしたかのように憩美ちゃんが呟いた。



確かに何度か会った事がある同級生グループの親達ならともかく...下級生グループの親達とは会う機会がほとんどないし、ましてや愛沙ちゃんと智秋ちゃんのご両親とは一度も会った事がないから私の人柄とかをはっきりとは把握していないだろう。ましてや、伊集院日咲の一件で私は怒らせると恐ろしい存在だという偏った認識をされてしまった可能性すらある。


(...だとしたら、この従者達の反応も頷けるね...)



いずれは下級生グループのご両親達とも話す機会を設けて岩倉玲奈という人間が本当は優しくて素直な普通の女の子だと知ってほしいものだ。



「玲奈お姉様!どれからにします?」



「そうですね~...」



まぁ...せっかくのゴールデンウィークだもん!とりあえず、今は下級生グループの子達とゲームセンターで楽しむといたしますか!!














・・・・・


...それから、数時間の間は本当に楽しい時間だった。



「あっ!また落ちた...惜しかったのに~!」



「岩倉先輩!このクレーン壊れてるんですかね?さっきから全然、景品が取れませんよ!?」



「クレーンゲームって難しいですよね...」





「あっ!玲奈お姉様!また取れましたよ!」



「ちょっ...敦鳥凄すぎでしょ...これで5個目の景品だよ?」



『『『ええっ!?』』』



クレーンゲームにて、それぞれの得意不得意が判明したり...





「おりゃっ!」



ピコン!!



「わ~お!流石は智秋ちゃん!」



「へぇ~、智秋ちゃんって腕の力が強いんですね...」



「まぁ、色々とありまして。あはは...」





「くっ!それに比べて私は...」



「えっと、憩美様?あれは智秋ちゃんの記録が凄すぎるだけなので、そう落ち込まないでください...」



パンチングマシーンにて、智秋ちゃんの記録に驚かせられたり...





「はい、やりましたー!遂にメダル99枚ゲット~!」



「玲奈さんが羨ましいです...私なんか、さっきから外れまくってメダルがすっからかんなのに...」



「その...憩美様?私のメダルを少し分けてあげましょうか?」



「感謝するわ、敦鳥!よし、今度こそは!」



「頑張ってください!」



メダルゲームにて、圧倒的な枚数を獲得した私に憩美ちゃんが嫉妬したり...





「私は塩味で!」



「えっ?愛沙ちゃんは塩味派なの?私はバター味の方が美味しいと思うんだけど?」



「お二人は分かってませんね~!ポップコーンといえば、キャラメル味が一番に決まってるじゃないですか~!」



「いやいや!絶対に塩!」



「バターだって!」



「キャラメルです!」



「ねぇ、愛沙に智秋に敦鳥!三人とも少しは落ち着きなよ!ポップコーンはどれも美味しいでいいじゃない...」




ポップコーン売り場にて、それぞれの味の好みの違いが原因でちょっとした言い合いになったりとだ。



「ちなみに...玲奈さんはポップコーンでは何味がお好みなんですか?」



中立派だった憩美ちゃんの質問に三人は言い合いをやめて私をじっと見つめてきた。



まるで...



(絶対に塩味ですよね!?こればかりは塩味ですよ!塩味!!)



(ポップコーンといえば、普通にバター味に決まってます!そうですよね!?岩倉先輩?)



(玲奈お姉様!キャラメル味が一番だと言ってください!キャラメル味しか勝ちません!)



私にそう訴えかけるように...



だけど、申し訳ないね?私の答えは最初から決まってるんだ!



「そうですね。ポップコーンはどの味でも美味しいですが、強いていうなら...ピザ味でしょうか?」



『『『.........』』』



私がそう言うと、三人は急に黙り込んだかと思うと...



『『『ポップコーンにピザ味なんてあるんですか???』』』



「えっ?」



いやいや!この子達、ポップコーンのピザ味を知らないの?私は前世ではポップコーンはピザ味一筋なくらい、大好きな味だったんだよ!?



もしかして、ミラピュアの世界ではマイナーなんだろうか?



「もう!ポップコーンはどの味も美味しいでいいじゃないですか!いっそ、全種類買いましょう!あっ、玲奈さんがいってたピザ味とやらはないみたいですけど...」



この後、結局は全種類のポップコーンを買うことにした。ちなみに私はピザ味の代わりに塩味にしたんだけど...



(うん!塩味も悪くないかも...)



塩味の美味しさを知った。とはいえ、それを言っちゃうと智秋ちゃんと敦鳥ちゃんからは文句を言われそうだからね...あえて何も言わないで美味しく頂くとしますか...




実際に作者もポップコーンのピザ味を食べた事があります笑


皆さんは何味派なんでしょうか?

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