204.これぞ真のデジャブ
短めですみません!
第204話
「それにしても、こんなところにゲームセンターがあるなんて思わなかったよね~!」
「ほんとだよね~!」
愛沙ちゃんと智秋ちゃんがワイワイと盛り上がっている様子を眺めながら、私は不安を覚えていた。
(いやいや!何で、よりによって敦鳥ちゃんはこのゲームセンターを選ぶわけ!?)
そう...私達がいるゲームセンターというのは以前に私が陽菜や滓閔や萌留ちゃんと遊びにいった、あのゲームセンターなのだ。
問題なのは、あの時に滓閔の身に原作への修正力という誰もが予想だにしていなかった事態が起こってしまい、結果的に彼女はしばらく入院する羽目になったという点だ。
確率は低いが、今回もこのゲームセンターを訪れた事がきっかけで私達の身に何かしらの災難が降りかかる可能性もなくはない...
「玲奈お姉様?どうかしましたか?」
「あれっ?玲奈さんってもしかして、ゲームセンターは嫌いだったりします?」
しかし、そんな事を直接言ってしまうのは今回のお出かけの発案者である憩美ちゃんや、このゲームセンターを行き先に選んでくれた敦鳥ちゃんに対して申し訳なく思うし、失礼な気もするから言えるわけがない。
「いえいえ、そのような事はありませんよ。私もゲームセンターは大好きですから。」
「なら、良かったです!」
私の返事に憩美ちゃんも敦鳥ちゃんも安心してくれたようだ。
「玲奈お姉様!早く遊びに行きましょう!やりたいゲームがいろいろあるんですから!」
「ちなみに私はクレーンゲームがやりたいんですよね~!」
やれやれ...私も本来だったら、この子達みたいに無邪気にはしゃいでたんだろうな~。
うん...私が転生者とかいうイレギュラーな存在じゃなかったらね...
(きっと、今度は大丈夫だよね?いや、大丈夫に決まってる!)
人はそういうのをフラグと呼ぶのだが、今の玲奈は焦りのせいでそれに気づいていなかった...




