203.憩美達と遊ぶ
第203話
楽しかったゴールデンウィークの1日目はあっという間に過ぎ、ゴールデンウィーク2日目となる朝がやって来た。
「玲奈お嬢様、おはようございます。」
「あいにく、私はとっくに起きてますよ。それよりも姫香、今日はフィクサーが私の部屋に来ませんでしたが...もしかして何かあったのですか?」
普通、こういう大事な予定がある日は昨日みたいにフィクサーが部屋まで飛んできてくれて、私を起こしてくれるのが日常だったため、やけに珍しい事もあるものだと少しばかり不思議に思っていた。
「さぁ、陽菜お嬢様の部屋にもいませんでしたし...あの鳥なら朝の散歩にも行ってるんじゃないですかね?玲奈お嬢様が心配なら、今度から放し飼いじゃなくて籠に入れて飼うように陽菜お嬢様にお願いしてみては?」
「いえ...それはそれでなんか、フィクサーがかわいそうな気がします...それにこの家にいるのを望んだのはフィクサーですから。しばらくすれば、帰ってくるでしょう。」
とはいえ、フィクサーが朝の散歩みたいな理由で早朝に姿を消すのもこれが初めてではないので、私はそこまでは心配していない。
「まぁ...フィクサーが帰ってきたら、餌をやるように伝えておいてください。では、私は憩美ちゃん達との待ち合わせ場所に向かいます。」
「はい、いってらっしゃいませ。」
「そういえば、陽菜はもう出かけたのですか?」
「そうですね。陽菜お嬢様は今日を相当楽しみにされていたみたいで...」
いろいろと不安な部分もあるけど陽菜だってゴールデンウィークを満喫しているんだから、私も陽菜を見習ってゴールデンウィークを楽しまないとね!
・・・・・
「あっ、憩美ちゃん!お待たせしました!」
「玲奈さん!待ってましたよ~!」
私が集合場所に到着した時には既に憩美をはじめとする、下級生メンバーは揃っていた。
「岩倉先輩!お待ちしていました!」
「岩倉先輩!今日はよろしくお願いします!」
「玲奈お姉様とご一緒できて嬉しいです!」
愛沙ちゃん、智秋ちゃん、敦鳥ちゃんの三人が元気に私に挨拶をしてきた。
2年生組全員集合!...と言いたかったが、残念なことに一人足りない...
「眞美ちゃんが来れなかったのはちょっと残念ですね...」
憩美ちゃん曰く、眞美ちゃんは家の事でどうしても外せない用事があったために残念ながら、今回のお出かけには参加できないらしいのだ。
「まぁ、予定は人それぞれなので仕方ありませんよ...とりあえず、眞美の分までゴールデンウィークを満喫といこうじゃありませんか!」
『『『おーー!』』』
昨日のデジャブを感じさせるやり取りを目の当たりにしながら、私はゴールデンウィーク2日目を思う存分に楽しむという決意を固めたのだった。




