196.意外と新入生には知り合いが多いらしい...
諸事情で更新が遅れてしまってすみません!
第196話
立ち去っていった師嗣くんを見送った後、私は清芽ちゃんと奏ちゃんと3人でしばらくの間は他愛のない会話を続けていた。
「あっ!あなたが...」
そこに、1人の男子生徒が近づいてきた。普段、私が見覚えのない顔立ちからして新入生である事は間違いないだろう...
「えっと...その、西園寺様ですよね?」
「えっ?いかにも、私が西園寺清芽ですが...あなたは?」
その男子生徒は、清芽ちゃんに向かって問いかけているが...一方の清芽ちゃんは相手が誰なのかが分かっていない様子を見せていた。
「僕です...橋本実臣ですよ。」
「あっ...あぁ!あなたが橋本伯爵家の!...」
「はい、僕が橋本伯爵家の跡継ぎです。本家の西園寺清芽様に会えてとても嬉しいです。」
橋本伯爵家ねぇ...確か、清芽ちゃんの生まれた西園寺家の分家にあたる家で伯爵の爵位を授かった羽林家だよね。三聖徳会のメンバーになる資格も十分に持っているはずだ...
「それと、岩倉様と大炊御門様とも...こうして、会える事ができて非常に光栄です。」
「いえいえ、大げさですよ。」
奏ちゃんはともかく、私は褒められるような人間ではないからね...
「へぇー!清芽の派閥の人間にも、こんなにまともな子がいるなんてね~!」
「ちょっと!奏!?それはどういう意味なのでしょうか!?」
「言ったままよ。あなたの事だから、派閥の人間とかに洗脳教育とかしてそうだし...」
「そんなことはしませんよ!」
奏ちゃんの放った言葉を聞いて私は、ふと思い出していた。
そういえば、今まで私に話しかけてきた新入生達って...
語尾が『っす』という特徴的なもので、個性が強すぎる変人...宇土丸銀二。
本人の性格が気弱すぎて、完全に名前負けしていそうな...今帰仁修羅。
生意気な口調で奏ちゃんに喧嘩を売ってきた、奏ちゃんの従兄弟の...大炊御門師嗣。
礼儀正しい性格ではあるが、中山家の刺客として最有力候補である...今崎美織。
うん...信用できる且つ、性格がまともな子が1人もいなかったっけ...
その子達に比べて橋本くんは...まともな性格で、清芽ちゃんの派閥の家の人間という事もあってか、多少は信頼できる...ってところかな?
「では、次に二条様達にも挨拶に行かなければなりませんので...これで失礼しますね。」
「はい、西園寺家の分家としてふさわしい振る舞いを心掛けてくださいね。」
「もちろんです!」
清芽ちゃんにそう言われた橋本くんは、嬉しそうに返事を返しながら...立ち去っていった。
「今年の新入生は、私達の知り合いが多い気がしますね...」
「そうですね!楽しくなりそうでなによりかもです!」
「奏ちゃん...」
私も原作知識なんてものがなければ、奏ちゃんのような楽観的な思考でいられたんだろうなぁ...
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!今年もこの小説をよろしくお願いいたします!




