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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
192/316

189.癖者揃いの新入生 その①


第189話



「あなたは確か...」



私に声をかけてきた記念すべき最初の新入生、その名は...



「初めまして!!私は、今城子爵家の娘...今城美織いまぎみおりと言います!これから、絡む機会は少なくなるかもしれませんが...こうして出会えたのも何かの縁です。是非ともご挨拶をと、声をかけさせていただきました!」


「そうですか。ご丁寧にありがとうございます...岩倉玲奈です。」


「菊亭清芽です...」



今城家...歴史をたどると、江戸時代の前期に冷泉家れいぜいけの庶子が今城姓に改姓したことから始まっている。



今城家は羽林家で、和歌や有職故実を家職としており...明治時代には子爵の爵位を授かった家である。



「では...挨拶は済んだので、失礼します!」



そう言うと、美織ちゃんは私達に頭を下げて、その場を立ち去っていった。



「中々、礼儀正しい子でしたね。彼女が纏うオーラも子爵家の人間のものとは思えなかったぐらいです。」


「えぇ...そうですね。」



清芽ちゃんはこう言っているが、残念ながら...私は、まだ美織ちゃんを完全には信用していない。



その理由は...



(中山家の子供が偽名を使って入学するとしたら、今城家なら簡単に名前を使える!!...)



実は今城家...冷泉家の庶子が改姓してできた家と先に言ったが、その冷泉家の先祖は元々、中山家の人間だったのだ。



つまり...今城家は、中山家の支流、もしくは分家にあたる家なのだ。



よって、中山家の策略に手を貸している可能性を否定する事ができないのだ。



(一応、注意しておいた方がいいね...)



やれやれ...最初の新入生から、私の思考を疲れさせるなんてね...



「岩倉様っすよね?初めましてっす!」


「えっと、あなたは?...」



...と思っていたんだけど、今度は見るからに美織ちゃんよりも癖が強そうな新入生が現れたみたいだね...



「どうもッ!!宇土丸銀二うとまるぎんじっす!末永くよろしくお願いしまっす!」


「はぁ、元気そうでなにより...宇土丸君ですね、よろしくお願いします。」



語尾に『っす』と...妙に癖のある話し方をする

宇土丸君...



(う~ん、宇土丸なんて名字は社交界でも聞いた事ないから...)



彼は...一般学生?それにしては、よく私の事が分かったね?...なんて思っていると、



「ちょっと、待って下さい!?末永くって何ですか!?末永くって!!!あたかも玲奈ちゃんが自分のものかのような言い方して!!...」



どうやら、私の思考は清芽ちゃんの怒鳴り声で打ち消されたみたいだ。



「あっ!!言い方が悪かったっすね!!残り2年余りですけど、同じ学園の先輩と後輩としてって意味っす!菊亭様!!誤解させてしまって、本当にすみませんっす!!」


「はぁっ!?...紛らわしいんですよ!...まぁ、そうですか...ならば、問題はありませんがね...」


「納得してもらえて良かったっす...じゃあ!!自分はこの辺で失礼するっす!」



今は私達に特に用はなかったのか、宇土丸君はそのまま、走り去っていってしまった。



「全く!!変な新入生ですね!」


「あはは...せめて、個性的と言ってあげて下さい。」



そうは、言うが...私も内心では清芽ちゃんと同じ考えなのは、ここだけの秘密だ...




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