188.問題山積みの4年生がスタート!
第188話
今日からいよいよ、4年生だ。
(はぁ...憂鬱なんですけど...)
3月までは、日咲の件でざわついていた学園も...今では、だいぶ沈静化していた。だが、私の体を乗っ取っていたらしき...何かの正体は未だに分かっていないのだ。
そして...蛇茨ちゃんとのわだかまりも未だに解決できていない。
さらにだ...
『...玲奈、前に言った中山家の事は覚えてるかい?』
『はい。確か、勝手な言いがかりで岩倉家を恨んでるんでしたよね?』
新学期が始まる前日...突然、父からそんな事を聞かれたのだ。
(なんで、急にそんなことを?)
もちろん、その事はしっかりと覚えてはいるが...なぜ、父はこのタイミングで?...と、私は疑問に思っていると、
『どうやら...中山家の子供が明成学園に新入生として、入学してくるらしいんだ。』
『えっ!?それだけですか?』
いやいや、父には悪いけど...それだけなら、私から見て大して脅威とは思えないなぁ...単に中山家の子供が入学してくるだけなんでしょ?
『問題はその子が...偽名を使ってるという点だ。』
『ぎっ...偽名を使ってですか!?』
『うん...中山家が普通に我が子を新入生として入学させるだけなら、こんな周りくどい事をする理由がないからね...』
そこまでするってことは...私に対して何かを仕掛けてくる可能性が高いってことだよね...
『分かったかい?新入生達は玲奈に取り入る子達もいるだろうけど、くれぐれも気をつけるんだよ。』
『はい、お父様。』
・・・・・
そんなわけで...私は今年の新入生を少しばかり、警戒している...
「玲奈ちゃん!!おはようございます!」
「あっ!!清芽ちゃん!春休みが始まる前以来ですね...」
今年の春休みは気持ちの整理がついていなかった事もあってか、奏ちゃんの家でお泊まりした以外は特に何もしていないのだ...
「それにしても!玲奈ちゃん?奏だけズルいです!!今度は私の家にも泊まりに来て下さいよ!」
「あぁ~、こう言われると思いました~...」
こればかりは、清芽ちゃんが嫉妬するのも分かる。気持ちの整理がつかなかった割に...奏ちゃんの家には泊まりにいって、自分の家には泊まりに来てくれないというのは、ちょっと理不尽な気もするからだ。
「う~ん、ゴールデンウィークにまた、誰かの家でお泊まり会を...開いてみますか?」
「そうです!ぜひ!ぜひ、そうして下さい!!その言葉をお待ちしてました!」
私がそう言うと、清芽ちゃんも機嫌を直してくれたようだった。さすがにこのままだと、清芽ちゃんや他のグループメンバーがかわいそうに思えてきたからね...
「後で、皆さんにもちゃんと話しておいて下さいね。」
「えっ?私が...あっ!!はい!分かりました。ちゃ~んと、みんなにも話しておきますね?」
その時の清芽ちゃん...なにかを企んでそうな...ニヤニヤとした表情をしてたけど、私の気のせいだよね?...
「あっ!!岩倉様と菊亭様ですか!?」
(...ん?あの子は?)
どうやら...警戒すべき、今年の新入生に声をかけられちゃったみたいだね...




