表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
189/315

186.敦鳥は断ち切る...


第186話



今日は、6年生の先輩方の卒業式...



「玲奈ちゃん!短い時間だったけどありがとう‼」



「奈乃波さん、こちらこそありがとうございました‼」



私は今日で卒業する奈乃波さんの見送りにやって来た。



「奏?清芽?私の分まで、玲奈ちゃんを頼んだわよ!」


「ううっ‼...はい‼」


「あなたに言われなくとも、そのつもりです。」


清芽ちゃんはともかく...奏ちゃんの方は、なんだか名残惜しいような表情をしている。


普段は私を巡って言い争いをしてるとはいえ...いなかったら、いなかったで寂しい気持ちになるのだろうか?



「お~‼玲奈ちゃん、来てくれたのかい?」


「ごきげんよう、尚先輩...」



そして、三聖徳会元会長の尚喃磨も声をかけてきた。



「これからも兼光君と仲良くね~。玲奈ちゃん。」


「はい?」


おいおい...彼からは、私と兼光がいったい、どういう関係に見えているのだろうか?


「こらっ‼尚!行くわよ‼」


「えっ⁉奈乃波ちゃん...ちょっ‼いってーって‼」


すると...奈乃波さんが突然、喃磨の耳を引っ張ったかと思うと、そのまま引きずっていってしまった...



後には、突然の光景に唖然とした私達だけが残される...



「まっ...まぁ‼とにかく!お二人とも、卒業おめでとうございます!」



私は去っていく二人に祝辞を述べるのだった...










・・・・・


体育館裏にて...



「敦鳥ちゃん...待たせてしまい、すみません...」


「いえいえ...私が急に呼んだのが悪いんですから...」


私は敦鳥ちゃんに呼び出されて、話をしようとしていた。


「呼び出された理由は分かっています...伊集院日咲の件ですよね?」


「はい...」



蛇茨ちゃんと同じように...敦鳥ちゃんもまた、日咲の件で私がゆるせなかったのだろうか?



「私...あれ以来、自分でもどういう気持ちなのか分からないんです...日咲を許して欲しかったという気持ちはありました。ですが...かといって、玲奈お姉様の事を嫌いにもなれないんです。」


彼女は、日咲への友情と私への崇拝...二つの気持ちで心が揺れている感じか...


ならば、その心を私の方へと傾けておく必要があるね...



「敦鳥ちゃん...よく打ち明けてくれたね。」


「玲奈お姉様...」


「ごめんね...断罪するためとはいえ、私はあなたから見ると、非常に許されない罪を犯してしまったのかもしれない...恨むなら好きなだけ恨んでほしい...殴りたいなら好きなだけ殴ってほしいの...」


まぁ、こればかりは本心だが...


「それでもだよ...私も...敦鳥ちゃんと仲違いはしたくないの。敦鳥ちゃんが良ければだけど...もう一度だけ、私に敦鳥ちゃんに誇れる先輩になれるチャンスをくれませんか?」


「ううっ‼...玲奈お姉様~‼」


私の言葉を受けた、敦鳥ちゃんがギュっと私に抱き着いてくる。それを私はそっと...優しく受け止めた。



そして、彼女はついに1つの決断をくだす...



「決めました!私は日咲が好きでした‼...ですが!日咲は自分の過ちを気づけずに玲奈お姉様達を苦しめた...なので!今、ここで彼女への想いを断ちきります...そして!玲奈お姉様に賭けてみます!今度は私をあんな気持ちにさせないでくださいね‼」


「ありがとう!敦鳥ちゃん‼」



こうして、私は敦鳥ちゃんとの仲をつなぎ止める事に成功したのだった...




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ