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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
167/318

164.姫由良の聖夜は悲しきかな


第164話



今回、岩倉家にて開かれたクリスマスパーティーは大成功といってもいいだろう。豪華なご馳走を堪能したり、クリスマスプレゼントを交換しあったり、皆でクリスマスツリーの飾りつけをしたりと楽しい事だらけだった。


時計が夜の10時を回った頃、玲奈グループメンバー達は名残惜しさを感じながら、岩倉家の屋敷を出てそれぞれの家へと帰っていった...



(あ~、楽しかった...さて、ここからが正念場かぁ~)


「あの、玲奈ちゃん?何で私を残したの?」



...約1名、兼藤姫由良を除いてだ...



「わざわざ、私が言わないと分からない程、心当たりがないんですか?まずは自分の胸に聞いてみてください。」


「そんな事言われても心当たりなんてないよ...楽しい楽しいクリスマスパーティーの後にこんな雰囲気になるなんて、ちょっと悲しいな...」


そう言って、ションボリとした様子の姫由良ちゃんを見て私は心が痛くなったし、罪悪感も芽生えた...が、ここまできて引き返すことはできない。


「貴女はその楽しい楽しいパーティーの最中もずっと蛇茨ちゃんの事...気にしてましたよね。」


「えっ⁉」


「分からないと思いましたか?あと、私以外のメンバーも薄々気づいてましたよ。」


「あはは...さすがに誤魔化しきれなかったよね...」



そりゃね...姫由良ちゃんは姫由良ちゃんなりに周りの楽しい気分を壊すまいと気を遣って、精一杯の笑顔を作っていたみたいだけど...どこか上の空だったし、目も泳いでたし、何より会話に遅れが目立っている場面も見られたからね。これは私はともかく、他のグループメンバーに気づかれてもおかしくない。


終盤のプレゼント交換の時になって、ついに見かねた優里ちゃんがその事に触れようとする場面もあったけど、私はアイコンタクトでそれを阻止した。それを見た他のメンバーも今はこの事には触れてはいけないと悟ったようで、そこからは楽しい楽しいクリスマスパーティーを()()()()()


「私は...私は!玲奈ちゃんの事が大好きなの。」


「もちろん、知ってますよ。私も姫由良ちゃんの事が大好きですから。」


「...でもね‼玲奈ちゃんと同じくらい、蛇茨ちゃんの事も大好きなの。だから、蛇茨ちゃんも交えてクリスマスパーティーを一緒に楽しみたかった...!」


「姫由良ちゃん...」


「ねぇ...‼何でこうなっちゃったの⁉例の手紙の件で、玲奈ちゃんが私の様子を見に来てくれなかったのはちょっと悲しかったけど、玲奈ちゃんも玲奈ちゃんで大変な事になってるから来れなかったかもって分かってたんだよ⁉だから、妥協したのに...なんで‼二人は仲違いしちゃったの⁉こんなの嫌だよ!私は8人でいたいってずっと思ってたのに~‼うっ...うわあぁぁぁ~ん‼」


姫由良ちゃんが号泣するまでに追い詰められてたなんて...私のせいだ...何とかしないと!


「姫由良ちゃん!今回の喧嘩の件は貴女も蛇茨ちゃんも悪くないよ‼だから、自分を責めないで!...悪いのは私なんだから...それとね!蛇茨ちゃんとはもうすぐ決着がつくから‼安心して!」


「ほんとぉ?...玲奈ちゃんと蛇茨ちゃんは本当に仲直りしてくれる?」


「......えぇ、もちろんです。私もいつまでもギスギスした気分は嫌ですから...どんな形でも決着はつけるつもりです。」


「絶対にだよ‼...そして、玲奈ちゃんと蛇茨ちゃんが仲直りできたらまた、8人でどこか遊びにいこうよ!クリスタルアイスシティーでもいいし、ゲームセンターでもいい!8人でいっぱい楽しもう?.........だから!絶対に仲直りしてね!約束だよ⁉」


「.........」






「玲奈ちゃん?」


「........はい、約束致します...」


「ありがとう!玲奈ちゃん!私は玲奈ちゃんを信じてるよ‼」



哀れにも姫由良ちゃんは気づいていなかった。私は()()()()()()と言ったが、()()()()()()とは一言も言ってない事に...




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