表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
158/320

155.清芽グループのディスカッション


第155話



「では、本番に向けて3人で発表の練習でもいたしましょう。」


「あっ...うん、そうだね...」


「清芽先輩、姫由良先輩。発表する順番はどうしますか?」


「それではまず、...」



奏グループとは打って変わって清芽達のグループは早々にテーマを決め、今は誰がどこまでを発表するか、順番はどうするかの話し合いの最中だ。


「清芽先輩、姫由良先輩!本番の発表会では絶対に優勝しましょうね!」


「もちろんです、陽菜さん!【自分の大好きな人の1番の存在になるには】というテーマで勝ちを狙いに行きましょう!」


それぞれ、玲奈への独占欲と姉妹愛が強い二人がいかにも選びそうなテーマである。


「.........はぁ、」


「姫由良先輩?何か不満でもあるんですか?それともどこか具合でも悪いんですか?」


「いやいや‼そんなんじゃないよ!」


例の手紙の件が原因なのだろうか?それとも玲奈と蛇茨が喧嘩してしまったからだろうか?とにかく、以前までの元気さが見られなくなった姫由良に気を遣った陽菜が声をかけてきた。


陽菜にとって姫由良は最も仲が良い先輩なのだ。心配してしまうのも無理はない。


「なら、大坪さんの事ですか⁉彼女の事なんか、忘れてください。彼女は玲奈ちゃんを裏切ったのですよ⁉」


「でっ...でも‼」


「それでも、大坪さんの肩を持つというのですか?」


「ううっ...」


姫由良にとってもちろん、玲奈は大切な存在だが、幼馴染の蛇茨の事も玲奈と同じくらい大切に思っていたので彼女の心は複雑な気持ちだった。


だが、その気持ちを今の清芽に打ち明ける勇気がなかった。清芽に話したところで自分も罵倒されて仲間外れにされてしまうのでは?という恐怖心があったからだ。


自分まで仲違いを起こして玲奈のグループを内部崩壊させてしまう事を姫由良は何より恐れていたのだから...



「私は一応、姫由良先輩が蛇茨先輩を気にするのは理解できます。でも今の状況では私達は何もできませんよね?」


「確かにそれはそうだけど...」


あの喧嘩以来、玲奈からは『これは自分達の問題なので口を出さないで欲しい』と言われているため、玲奈グループの皆はただただ傍観する事しかできないのだ。


「さっ!あんな裏切り者の事は忘れて発表会の練習をしましょう!私達なら優勝間違いなしです‼」


「姫由良先輩、今だけは発表会に専念していただけませんか?」


「うっ...うん。」



落ち込むあまり、テーマ決めを二人に任せてしまった負い目もあるし、とにかく今は発表会に向けて自分が少しでもできる事をしようと思う姫由良だった。


(この発表会で、優勝して玲奈ちゃんの1番の存在に私はなる!もう、奏にも...いいえ‼誰にも譲りません!)


(玲奈お姉ちゃん!私の頑張りを見ててね!絶対に優勝するから!そしたら褒めてくれるよね⁉)


(この発表会が無事に終わったら...玲奈ちゃんと蛇茨ちゃんが仲直りできるように話してみよう。絶対に二人の友情を取り戻して見せる!)



3人とも考えてる事は微妙に違っていたが、絶対に優勝してみせるという気持ち自体は一緒だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ