151.利害が一致した者達
筑波百子視点です。
第151話
(さぁ!貴女達は私の駒として働いてもらうわよ‼)
...筑波百子が伊集院日咲と手を組んだ理由は、彼女が単に岩倉玲奈と島津憩美への仕返しの為の駒としてちょうど良かったからだ。
「筑波様は凄いですね!まさか、岩倉玲奈の派閥の人を私達の味方につかせるだなんて!」
「ふふっ‼そんなの当たり前ですわ~‼家柄の違いですわ~‼」
夏休みが終わった頃くらいからだ。理由は不明ながら、何やら、1年生の多くが玲奈と敵対するようになったのだが、その中心にいたのが、伊集院日咲と長寿院敦鳥だった。
この内、日咲は感情的になりやすく、憩美の為だったら自分や周りの身がどうなろうと関係なく、何かしでかすタイプだという事が取り巻きからの報告で分かっていた。こういうタイプの人間は駒にするには最適だ。
それにより、最初はこの騒動に関しては静観を貫くはずだった百子だったが、急遽、予定を変更して日咲と接触する事にした。日咲は私が味方になると知るないなや、大喜びしていた。何せ、玲奈と同等かもしくはそれ以上の後ろ盾ができたのだから...その気持ちはよく分かる。
誤算があるとすれば、敦鳥の方は話に乗らなかった事ぐらいだが、大して計画に問題はないだろう。
表向きは憩美に同情したから貴女達の味方をするなどと綺麗事を言ったのだが、百子にとっては憩美も玲奈も憎い敵だ。
(これで、岩倉玲奈は終わり...でもその後の標的は...ふふっ‼)
百子は玲奈を社会的に抹殺する事に成功したら、今度は憩美をターゲットにしようとまで考えていた。
『この件で島津憩美は調子に乗って伊集院日咲を操り、今度は筑波百子を無実の罪で抹殺しようとしている。』
今度はこういう噂を流せば、憩美の評判はガタ落ちになり、自分は哀れなヒロインとして株を上げられる。。同時にこのタイミングで最早、邪魔でしかない日咲は切り捨て、家族もろとも社会的に抹殺する。
憎い相手への復讐、自身の評価上げ、捨て駒の口封じが同時にできる願ってもない機会なのだ。
「で?何で私を呼んだの?」
「あっ‼ごめんなさいですわ~‼説明しますね~。」
そして、大坪蛇茨。
日咲や自身の取り巻き達に指示して予め、ばらまいておいた玲奈のグループメンバーの誹謗中傷した手紙の件が上手くいき、彼女は玲奈と喧嘩をしたらしく、グループから孤立してしまったようだ。実際、彼女はずっと1人ぼっちで行動している。
彼女と最初に接触した際は前述の手紙の件もあり、1年生に協力する事を渋っていた蛇茨だったが、最終的には玲奈への恨みが勝ったらしく、こちらの味方になってくれた。
「今度のグループディスカッションですが、大坪先輩は日咲と組んでほしいのですわ~‼」
「ふん...分かったわよ。その代わり、上手くいくんでしょうね⁉」
「当たり前ですわ~‼こう見えて策はちゃ~んと考えてるの!」
「何か策があるのね?」
「ふふっ‼お二人に発表してもらう課題はですね...」
さぁ、ここからが本番だ。全ては自分の為、...そしてあの方の為でもある。
この手で憎き岩倉玲奈と島津憩美を必ず抹殺してみせる!
残念ながら百子はあぁ見えて、それなりに頭は良いのでギャグキャラではありません...
...(本当か?)




