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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
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147.敦鳥と向き合ってみる


第147話



「ここが...岩倉様の家...」


「さぁ、早く入ってください。私も暇じゃありません!」


「あっ⁉はい‼すみません...」



長い葛藤の末、最終的に私は敦鳥と話し合う事を選んだ。姫由良ちゃんを慰めにいけない事に多少の罪悪感は抱いたが、


(ここで敦鳥の提案を断ったら、問題の解決が更に遠のいちゃうかもしれないからね‼...それに比べて、まぁ...姫由良ちゃんはメンタル強い方だし?)


...という私の勝手な判断でこの選択をさせてもらった。


「で?その話とやらを聞かせてもらいましょうか?もし、くだらない話だったら許しませんよ?」


「ひっ‼」


敦鳥は怯えてしまったが、こればかりは仕方ない。なにせ、姫由良ちゃんの家に行くという選択肢を蹴ってまで、話し合いの場を設けたのだから...これで、しょうもない話だったら私としては絶対に許さない。完全に時間の無駄である...


「まずですね...私達みたいな穏健派が生まれたのは憩美様のおかげなんです...」


「ほう?」


「憩美様は私達に自分が岩倉様にどれだけの恩を受けてきたか、岩倉様がどれだけ自分を大切にされてるかなどを説いたんです。」


私への誤解を解くために憩美ちゃんが動いたわけか...でも、その方法だと逆効果でもある。


「一部の生徒達は『岩倉様が憩美様に脅迫して言わせたんだ‼』って言っています...」


まぁ、そうなる事は想定範囲内だ。


「ですが!この憩美様の発言によって、別の一部の生徒達は『思ってたよりも、岩倉様って悪い人じゃないんじゃ?』って思い始めています!私もその中の1人です!」


「それで穏健派が生まれたと?」


「はい‼」


何はともあれ、この状況は私にとっても喜ばしい事だ。一時は1年生の大多数と敵対する事になるかもしれないと覚悟していたが、その心配は杞憂だったようだ。


「それと...岩倉様?日咲とトラブルでも何かあったんですか?あの子...他の子以上に岩倉様を嫌ってますし...最近では『あんな人は転校させる!』とまで、言い出す始末...とてもじゃありませんが、今回の一件だけで日咲があそこまで岩倉様を嫌うのに違和感があるんですよね...なので、それ以前に日咲と何かあったんですか?」


「さぁ...私に心当たりはないんですけどね...」


心当たりもなにも、私と日咲はあの時が初対面だからね~?となると、2つの理由が考えられる。



1つ目の理由は、知らない内に日咲側が何かしらの理由で私を一方的に恨んでいる説だ。


これは優里ちゃんの両親のパターンみたいに、この場合は岩倉家の関係者の手によって大切な人を失ってしまった、だから、その岩倉家の娘である私に敵意を向けているというケースだ。



2つ目の理由は、岩倉家をライバル視する家に指示を出されて渋々、私を攻撃している説だ。


これは、伊集院家がその該当する家に借金をしていて逆らえず、鉄砲玉として使われているケースだ。


該当する家としては、なぜか、岩倉家を一方的に恨んでいる中山家と私と敵対する筑波百子を令嬢に持つ、筑波家が最有力候補で、次点で二条、一条、九条、近衛、鷹司といった格上の公爵家...


そして、可能性的に高くはないが、公爵家よりも圧倒的に格上の皇族達も候補にあがってくる。



まぁ、それは後で考えるとして...



「それよりも、長寿院さんは私と敵対する意志はないのね?」


「はい...なので、私みたいな格下の家の...しかも後輩にさん付けは必要ありませんよ。」


今は一応、この子を信用しておくか...私としても敦鳥達、穏健派を上手く使えば、この問題の解決に大きく近づけるのだから。


...とは言え、この先、私を裏切るような事があれば容赦なく切り捨てるけどね...


「そうですか、ならば...敦鳥ちゃんと呼んでもいいですか?」


「へぇっ⁉あっ、敦鳥ちゃんって...‼べっ、別に構いませんが⁉」



なぜ照れてるのかは分からないけど、これで敦鳥...いや、敦鳥ちゃんと分かり合えたってことで良いのかな?


「これからは私の味方として、よろしくお願いしますね。敦鳥ちゃん?」


「はっ、はい‼よろしくお願いいたします!岩倉様...いや、








.........玲奈お姉様...」




姫由良は犠牲になったのだ...

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