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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
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144.またまた‼謎のおばあさん


第144話



9月も終わりに近づいた頃、私はグループのメンバー達と先日、久しぶりに行われたテストの結果について話していた。



「やっぱり、玲奈ちゃんと沙友里ちゃんは凄いですね~‼」


「いいな~‼私なんか、90点台なんて夢のまた夢だよ~‼」


「私も...玲奈に追い付きたい...」


皆はそれぞれ、テストの結果の話で盛り上がっていたけど、私は内心、落ち着けていない。そりゃ...つい最近、あんな事があったばかりだもん...


「...玲奈様...やはり、あの事をまだお気にされてるのですか?」


「...玲奈ちゃんは悪くありませんよ...」


「はぁ...」



そんな様子の私を見かねた、奏ちゃんと清芽ちゃんが私を耳打ちでこっそり励ましてくれたけど...それでも私の気分は晴れる事はなかった。








・・・・・


放課後...



この日は岩倉家の運転手の休暇日だったため、私は徒歩で下校していた。


(はぁ...厄介な事になりそうだよ...)


そう思いながら、私がトボトボと歩いていると、



「おやおや、あの時のお嬢さんじゃないか。」


「貴女は‼」


私に声をかけた人物がいた。それは...以前、出会ったもう1人の転生者である謎のおばあさんこと、倉聟三田釵さんではないか。


「久しぶりだね。それにしても...公爵令嬢ともあろう人間が徒歩で学校帰りだなんて珍しい事もあるんだね。」


「あはは...今日はたまたま、運転手さんが休みなだけですよ。」


「そうだったのかい。」


ここ最近は全く見ないと思っていたら、今日になって急に私の前に現れた倉聟さん相手に私は多少、警戒しながら会話をした。



...そこからお互いの近況を語り合ったりして、数分が過ぎた頃、倉聟さんがふと思い出したかのように話し始めた。


「しかし...私もお嬢さんみたく、憑依型ひょういがたとして生まれたかったものだよ...それなのに、よりにもよって即身型そくしんがたとはねぇ...」


「あの...憑依型とか即身型って何ですか?」


「ほう、お嬢さんは知らなかったのかい。」


知らなかったもなにも、私は転生する際に何1つとして聞かされていないからね...


「憑依型はお嬢さんのように、元々ゲームに登場するキャラに魂が憑依する形の転生者の事を言う。即身型は私のように体ごとこの世界に飛ばされた転生者の事を言うのさ。」


「よくそんな事を知ってますね。」


「以前、話した3人目の転生者から聞いたにすぎんよ。ちなみにあやつも即身型だったね。」


なるほど...つまり、3人目の転生者はゲームには登場しないキャラという事が確定したね...



私は何とかその人物と接触したいところだけど...



「名前は聞いてないんですよね...」


「いや、聞きはしたが...教えてくれんというのが正解だね。本人曰く、むやみに原作改変を引き起こしたくはないんだとさ。」


まずいね...私の目的はもちろん、破滅を回避する事。3人目の転生者が原作不変派だとするなら、私はその人物と仲良くなる事はできない。むしろ、排除する事も視野にいれないと...


「それと...あやつは中等部から明成学園に外部生として入学してくるらしいから、覚えとくんだね。」


「わざわざ、ご忠告していただくとは...ありがとうございます...」


「じゃあ、私はこの辺でお別れだね。」


そういうと、倉聟さんは片手にミラピュア攻略ブックを、もう片方の手には水晶玉を抱えながら、その場を立ち去っていった。



(はぁ、3人目の転生者も気になるけど...ひとまず、1年生との関係改善が最優先だね...)



あとに残されたのは予想外の課題を増やされてしまった私だけだった...




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