134.宿題騒動
夏休み編は今回で終わりです。
第134話
兼光もうまく説得でき(騙せ)たし、宿題の手伝いなんかさっさと終わらせるとしますか!
そして、早く帰って残された夏休み、最後の時間を優雅に過ごすとしよう...
「では、滓閔ちゃん。早速、宿題のお手伝いを始めたいのですが...あとどのくらい残ってるのですか?具体的に教えてくださいね。」
「それはですね~‼漢字ドリル数ページと~‼算数のプリント集全部と~‼日記が夏休みが始まったばかりの頃からと~‼それと...」
「.........」
なーんて安易に考えていた私の認識はどうやら甘すぎたようだ。私の隣にいる兼光もさっきまでの勢いはすっかり消えて、唖然とした表情をしている。
(いや、この子...嘘でしょ⁉)
いくらなんでも宿題サボりすぎじゃない⁉私が前世で見ていた、とあるアニメの主人公も勉強嫌いで夏休みの宿題を家族や友人...あげくの果てには赤の他人にまで手伝わせるとかいうカオスエピソードがあったけど、さすがにその宿題の量は滓閔よりかはましだったよ...
「あ~あ、滓閔ちゃん、だから言ったじゃ~ん‼宿題終わらせなって...」
「はぁ、あのですね...本来なら自業自得なんですよ。分かってます?滓閔ちゃん。」
「ううっ...面目なくごめんなさい。」
私達よりも先に滓閔の宿題を手伝いに来ていた萌留ちゃんと美冬ちゃんも同意見だったようだ。二人に叱られ、珍しくシュンとしてる滓閔の姿がある。
「とにかく...今は一刻も早く宿題を終わらせる事に集中しましょう!お説教はその後でもいいですから。」
「そうですね‼玲奈お姉様が言うなら構いません!」
おや?何か急に美冬ちゃんが前向きになっちゃったね?さっきまでのめんどくさそうな表情はどこへいったんだか...
「なっ‼...なぁ、玲奈。俺やっぱ帰っていいか?」
「はぁっ⁉何を今さら...ここまで来たら覚悟を決めてくださいよ!いいですね⁉」
「...はい。」
兼光の方もさっきまでのやる気はどこへいったんだか...まぁ、この宿題の量を見れば分からなくもないけどね‼
・・・・・
そして、
「やっと宿題が全部終わった...」
「全くだ。ほんとに疲れたんだぜ...」
滓閔の宿題が片付く頃にはとっくに日は沈み、夜になっていた。
「滓閔ちゃん、もう宿題を手伝わせるなんてこれっきりにしてよ...」
「私としてもさすがに次はないかも...ですよ?」
「はい、すみません...」
私や兼光はもちろん、萌留ちゃんも美冬ちゃんも既に満身創痍な表情をしており、その過酷さがうかがえた。
「はぁ...玲奈、俺はもう宿題デートは懲り懲りだぜ...次からはもっと楽しいデートに誘ってくれよな?」
「まぁ、ちょっと考えておきますね...」
あれっ?兼光君よ。君はいつから私がまたデートに誘ってくれるなどと錯覚したのかな?恐らく次はないと思うんだけど...
(まさか、夏休み最後の日がよりにもよってこんな形で潰れる事になるなんてね...)
いよいよ明日からは新学期。果たしてどんな日々が待っているのだろうか?
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