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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部3年生編
130/305

127.お見舞い後の葛藤

前半は優里視点です。


第127話



「私、思い切ったなぁ...」


玲奈のお見舞いを終え、帰路につく優里はつくづくそう思っていた。何せ、グループのメンバーに無断でただ一人、玲奈のお見舞いに行くという奇抜な体験をしてしまったからだ。


「皆さんには申し訳ないですが、いい体験ができましたね...」


「ほう...それは良かったじゃないか、河合優里くん。」


「......‼」


驚いた優里が振り返るとそこには、みた感じ自分の父親と同じくらいの年齢の中年の男が立っていた。


それにしてもいつから自分の独り言を聞いていた人間がいたのだろうか?


「なっ...どっ、どちら様でしょうか⁉」


「そう慌てなくてもいい。私は岩倉昭三、玲奈の父方の叔父にあたる。」


「あっ、そうだったんですか...貴方が玲奈ちゃんの叔父様?」


声からてっきり、自分のような少女を狙う変質者かと身構えてしまったが全くの杞憂、しかもその正体は大好きな玲奈の叔父というではないか。優里は内心、自分が恥ずかしくて仕方ない。


「ハハハ、君の事はよく玲奈から聞いてるよ、彼女と仲良くしてくれてるようだね。叔父として姪の友達になってくれた事、本当に感謝しているんだよ。」


「いえいえ‼滅相もないです!これでも私は玲奈ちゃんと敵対していたんですから‼」


優里は自分がこの玲奈の叔父を名乗る人物が思ってるほど優しい人間ではないと伝えようとした。


「ふん、そんなの過去の話だろう?今の君は玲奈のかけがえのない友人の一人ではないか。気負う事などない、もっと自分を大事にしなさい。」


「玲奈ちゃんの叔父様...」


自分の両親なら絶対に言わなさそうな台詞を言われて優里は少し嬉しくなる。そもそも優里の両親が彼女に言う事は『家のために奥田美留世に取り入れ‼』、新たに玲奈ちゃんと仲良くなっても今度は『家のために岩倉玲奈に取り入れ‼』と家の事ばかりであり、優里自身は両親から愛情を受けた事はなかった。


唯一、自身に愛情を注いでくれた祖父母も既にこの世にはいない。だから、優里は両親から愛される事を諦めていたのだ。


「昭三でいい。それよりも君に提案があるんだ。」


「昭三様が私にですか?」


「あぁ。」


そう言うと昭三は優里に問いかける。



「河合優里くん、君は私の協力者になる気はないかね?」







・・・・・


「フアン‼フカイ‼」


「やれやれ、フィクサーったら...さっきからガヤガヤうるさいですよ。」


「マジメニキケ!」


「風邪が治りかけている私の身にもなってくださいよ。」


優里ちゃんが帰ってしばらくした後からだ。フィクサーの様子がどうもおかしい。羽をバサバサと揺らしながら私の周りを飛び回って何やら喋っている。


「オレノチョッカンガイッテイル‼イヤナヨカンガスルトナ!」


「嫌な予感って...はぁ、この世界ですからね...いろいろあり得なくはないですね。」


「ダロダロ!」


う~ん、もしかして、早くも陽菜の正体が優里ちゃんにバレてしまうとか?


(だとするとまずいですね...こちらも何らかの手を打っておかないといけない...)


何はともあれ、フィクサーの様子がおかしくなったのは優里ちゃんが帰ってしばらく後の事だったよね?


なので私の直感だと優里ちゃん絡みで近いうちに何かが起こると見て間違いないだろう。



まあ、一番いいのは思い過ごしだったっていうオチだけどね...




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