117.制裁の末路は絶望だよ...
第117話
「えっ⁉私...」
私は耳を疑った。姫由良ちゃんが貴族以上に嫌っているのが私だなんて!とてもじゃないが信じられなかった。
(なんで⁉私、姫由良ちゃんと仲良くやれてたつもりだったのに...)
だか、姫由良ちゃんが本当に私を嫌っているならばある事と辻褄が合ってしまうのだ。だから本当に私の事を...
「はははっ‼ごめんね~!冗談だよ!」
「えっ...」
「いやぁ~、軽い冗談のつもりだったのにまさか玲奈ちゃんがここまで動揺するとは思わなくてさ...私に嫌いって言われて傷ついちゃった?ごめんね!」
「はぁー⁉」
おいおい‼私は本気で嫌われたんじゃないかと心配したというのにこういうオチかよ⁉心配して損じゃん‼
「許してくれる?」
「......」
姫由良ちゃんが先程とはうってかわったエンジェルスマイルで私に懇願してくる。...いや、でもさ...こればかりは心の広い私といえどもカチンと来てしまったよぉ~‼
・・・・・
「お~い、玲奈ちゃ~ん‼」
「......」
「機嫌治してよ~。」
「......」
あれから風呂からあがった私はずっと姫由良ちゃんを無視し続けてる。軽い仕返しの意味もあるがなにより...
ドン‼
「きゃっ‼玲奈ちゃん⁉」
姫由良ちゃんがビックリした様子で私を見つめている。まぁ、いきなり私が姫由良ちゃんをベットに押し倒したのだからそりゃ驚くだろうね。
「姫由良ちゃん、悪い子にはお仕置きが必要ですね。」
「玲奈ちゃん⁉ちょっと‼顔怖いよ⁉」
何を言ってるのやら。私は姫由良ちゃんをできるだけ落ち着かせようと満面の笑みを浮かべてるというのにそれが怖いだなんて...姫由良ちゃんは失礼だな~。
「うふふっ‼では、お仕置きスタートです!」
「玲奈ちゃん...お仕置きってな...きゃははははっ‼ちょっと‼やめて~‼くすぐったいの~‼ひひひっ~‼」
前世からの直伝の私の必殺技、『こちょこちょクラッシュ』を喰らった姫由良ちゃんは身をよじらせながら必死に抵抗を試みているが、この技が決まった時点で私に敗北はない。
「はははっ‼...ストップ~‼ストップ~‼あっははははっ‼やめ...きゃははははっ‼もう無理~‼無理なの~‼...きゃははははっ‼ダメ~!」
「まだ許しませんよ‼姫由良ちゃんにはじっくり反省してもらいますからね!」
「ひ~‼きゃははははっ‼お願...あっははははっ‼あっははははっ‼きゃははははっ‼許して~‼」
そういえば、前世でも妹が悪さをした時に使ったっけ?とか思い出しながら私の攻撃は夜遅くまで続いたのだった...
・・・・・
翌日、
『『大遅刻だー‼』』
「ヤレヤレ...ナンドモオコシニキタノニ...」
案の定、夜更かしが原因で二人して寝坊しちゃいました。どうやらフィクサーの声も届いていなかったらしい。今日が休日だったら良かったのになぁ...
「こちょこちょして眠らせてくれなかった玲奈ちゃんのせいだよー‼」
「元はといえば、姫由良ちゃんが私を騙すからです!」
「サッサトジュンビシヤガレ!ジカンノムダダ‼」
私達は責任押し付け合ながらも登校する準備をしていた。
「玲奈ちゃん、昨日お風呂で言った事は全部冗談だからね。」
「はい、本当に驚いたんですよ‼でも嘘でよかったです...」
「うん‼そうだよ!
..................何もかもぜーんぶ嘘だもんね...」
これから大遅刻をすることには絶望しているが、とにかく姫由良ちゃんには嫌われてなかったようなので本当に良かったー!
タイトル詐欺じゃないよ笑。一応、制裁も絶望もしてるので...




