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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
109/318

106.8人で1つの私達


第106話



耀心くんとのデートから1ヶ月が過ぎ。あっという間に冬休みになった。


「う~ん、なかなか日程が合いませんね...」


「玲奈お嬢様、そう気を落とさないで下さい。」


実は耀心くんのデートの際に私は尾行したグループの皆を咎めたのだが、逆に『耀心くんだけズルい‼』みたいな事を言われてしまい、冬休みに全員で集まって遊ぶ日を作ろうという約束をさせられる羽目になってしまった。


(まぁ...それ自体は嫌じゃないんだけどね...)


問題は日程の調整だ。グループの皆は皆で家族旅行や派閥、門流の家同士の交流会などでスケジュールがいっぱいで、なかなか全員の予定が空いてる日が見つからない。


「この日は奏ちゃんが予定があるらしくて...この日は優里ちゃんがダメらしい...となると...」


「はぁ...玲奈お嬢様、明日は家族旅行なのですから体調を崩さないように気をつけて下さいね‼」


「はい...」



そんな私も明日から4日間家族旅行に出かける予定だ。皆との予定に気を配りすぎて体調を崩したりしないように気をつけないと...






・・・・・


結局、その後も皆の日程がなかなか合わず、グループの皆で集まれた日は年も明けた冬休み最終日のことだった。


「玲奈ちゃん‼やっと会えましたね!」


「清芽ちゃん...」


私の姿を見るなり清芽ちゃんが思いっきり抱きついてきた。私と会うのは久しぶりだからそうしたくなる気持ちは理解できる。


「落ち着きなさいよ清芽、...玲奈様から離れなさい。さもないと私達にだけ嘘の集合場所を教えて騙そうとした事を玲奈様にバラすわよ...」


「くっ‼...」


何やら聞き取れなかったが奏ちゃんが清芽ちゃんに呟くと清芽ちゃんは渋々といった様子で私から遠ざかっていった。


「玲奈ちゃん‼これ私の描いた絵です‼受け取って下さい!」


「なかなか上手い絵ですね~。この女の子も可愛いですよ。」


真里愛ちゃんが渡してきたのは1人の可愛らしい女の子が描かれていた絵だった。しかもかなり上手い。


ミラピュアでは決して明かされる事のなかった真里愛ちゃんの特技に私は感心していた。


...その一方でこの女の子どことなく...


「もしかしてこの女の子のモデルって私⁉」


「はい!私の力作です。題名は『女帝様』です!ちなみにこの絵、実はもう1枚あるので今度コンクールに出してみようと思ってます‼」


いや、できればやめてほしい...絵自体はとても上手いし賞を取ってもおかしくはないんだけど私がモデルとされた絵を知らない人に見られるのはちょっと恥ずかしいし...


「それよりも早く中に入ろうよ。」


「うん‼玲奈ちゃんの家に遊びに来たの久しぶりだしねー‼」


「そうですね。では私の部屋に行きましょうか。」


「「「「「「「は~い‼」」」」」」」


性格は違うけどなんやかんや私達は仲が良い。きっと8人で1つのような存在に違いないと以前の私ならそう思っていただろう。


(楽しいはずなのに...やっぱりゲームの修正力には逆らえないの?いつか私も裏切られるのかな?)


結局、犯人の要求に応じる事なく脅迫状の件についてはタイムリミットを迎えたが現時点では恐れていたような事は起こっていない。これがただのイタズラとかならまだ全然良い方なのだがその確証はない。


「あの...皆さん、これからも私とお友達でいてくださいね‼」


「「「「「「「............」」」」」」」


一瞬だけ沈黙が訪れた。皆もまさか私がこんな質問をするとは思っていなかったのだから...


「もちろんですよ‼玲奈ちゃん‼なにせ私は玲奈ちゃんの唯一無二の最初のお友達ですからね~‼皆とは次元が違います!」


「玲奈様には家族との件で恩があるので当たり前です‼...というか、清芽は発言を撤回しなさい!私だって玲奈様の最初のお友達なんだから!」


「私は玲奈ちゃんのおかげで玲奈ちゃんのお友達としての自信を持てるようになったんです!そんな私が玲奈ちゃんを裏切るなんてあり得ません‼」


「もちろんに決まってるじゃないですか‼貴女はぜん...あっ‼いいえ‼生まれながらにして私と友達になる運命だったんですよ!」


「私だって玲奈ちゃんや皆がずっと仲良しでいてほしいんだよ?だからそんな事聞かないで‼」


「はぁ...玲奈ったら...あのね!私は自分と姫由良を助けてくれた玲奈に感謝しきれないんだから‼あの時点で私は玲奈に尽くすって思ったんだよ!」


「私なんて玲奈ちゃんと敵対してたも同然なんですよ...たとえ誰もいなくなっても私だけは最期まで玲奈ちゃんに従います!」


だが皆は返事を返してくれた。そのどれもが私に感謝し、これからも私とずっと仲良くしたいというものだった。



「皆さん...ありがとうございます。」



そんなグループの皆に感謝しつつも私は恐怖を覚えていた。



この内の1人...脅迫状を書いたあの子は何を思ってこの場に集まり、何を思って今の発言ができたのだろうと...




おまけ話④...その後、真里愛が描いたあの絵はコンクールで金賞をとったらしい。

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