表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

解体

作者: うさぎぱん

ボクは老婆の家から、服と食料をかっさらって老婆の家にあったリュックに入れた。

死人に食べ物はいらないだろう。

さっき銃を撃ったから夜中とはいえ周りの人が集まってくる可能性がある。





町を走って抜ける。

老婆の家からは遠ざかったから、問題はもうない。

気が付けば町の外だった。

意外と狭い町だったみたいだ。

夜中だが昼間十分寝たので眠気もない。完璧だ。

草原の原っぱを歩きながら、周りに注意してとにかく歩いた。

太陽はなく、人もなく静寂だけがボクを落ち着かせた。




歩いて、歩いて、歩き続け、ようやく日が昇り始めた。

そんな中、少し離れたところで、二人の夫婦が馬に乗って草原を走っていた。

見た限りかなり仲が良さそうな夫婦だった。

しかしその前に原始的な格好をした男が二人現れた。

「なんだい、君たちは。」

「・・・・・・・・・・・・・」

いきなり馬に乗った婦人をつかむと一人は石で作ったような鋭利な刃物を取り出し婦人のお腹を切った。

「何するんだ!子供が!」

そして原始的な格好をした男たちは目にもとまらぬ早業で婦人の内臓と赤子を取り出し、

首を切りおとした。

「・・・・うわあああああああああ!」

夫の方は馬で全力で疾走して逃げて行った。

男たちは男を捕まえようとしたが馬の速さにはかなわなかった。

肉塊と化した婦人を持ち上げ帰っていった。

その早業は猟師だった、ボクのお父さんのシカの解体に似ていた。

まるでスペシャリストだった。

さらに近づいてみると、小さな村があった。

彼らの住処はあそこだろう。本当に運が悪い。

解体される前に逃げ・・・・・・・





気が付くとボクは変な男たちに囲まれていた。

男たちは一期一句話さず無言で僕を見つめていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

酷い臭いがした。

周りを見渡してみると干し肉のようなものや人骨があった。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

ボクは体を起こされると首輪のようなものを付けられ男たちに引きずられた。

あいにく荷物は全て手元になかった。銃も。

引きずられたボクは小屋のようなところに投げ込まれた。

一人だけ小屋に残り他の男は出て行った。

そして思いっきり腹を殴られた。

あの時の保安官とは重みが違う殺意のこもった打撃だった。

内臓が揺れ脳に振動がくる。

気が遠のき、気絶しそうになった。

脳が混乱し体が震えた。

首をつかまれ首を絞められる。

「あぁ・・・・うぅ・・・・・・」

思わず声が出てしまった。

そして地面に思いっきり叩き落された。

体から変な音が聞こえた。

地面でその場の事を考えるのに必死なボクを男は蹴った。

何度も蹴られた。

「うぇ・・・・うっ・・・・・・」

そしていつしか血を床に吐いていた。

腕をつかまれ逆の方向に曲げると勢いよく関節を逆に曲げられ、右腕の骨を折られた。

激痛がボクの神経を伝わり涙も勝手に出ていた。

男は右腕を伝ってボクの指の骨をへし折った。

「・・・・・ひぃ・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

無言で立ち尽くす男に恐怖を覚え体の震えが止まらなくなった。

体から力が抜け、いつの間にかボクは失禁していた。

服をつかまれ、びりびりに破かれた。

男はナイフのようなものを取り出し、ボクの動かなくなった右腕に突き付けた。

そして次の瞬間ボクの肉を勢い良く切断した。

ボクの目の前で男は切り落とした肉を食らった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

無言の男は何かにうなづくと、腕の傷跡にナイフを入れ何かを切断した。

右腕は肩すらも動かせなくなっていた。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・」

恐怖に支配されたボクは意味もなく勝手に謝っていた。

男は腰から白い粉末状の物を取り出し傷跡に振りかけ、ボクの腕を直に食らった。

痛みはないが頭がおかしくなりそうだった。

食われに食われ腕の骨が見えた。

すると男はいきなり立ちボクを持ち上げてさらに別の場所へ運んだ。

そこにはさっきいた男たちがおり、全員がボクを見て舌なめずりした。

さっきの男がナイフでボクの胸に触れた。

ナイフを切らずにどんどん下へやり、

ボクの太ももに突き刺した。

「っ・・・・・・・・・・・・!」

ナイフでボクの足をえぐり、ぎりぎりとボクの骨を切った。

そしてついにはボクの足を切断した。

男はその足を取ると仲間に配った。

ボクの足に男たちは食らいつき、皮ごと食べていた。

「やめてください・・・・・やめてください・・・・・・」

ボクは悲痛な声を出した。

男たちは目にもくれず、ボクを食べた。

切断されたボクの足は瞬く間に骨だけになった。

食事を終えた男たちはボクに近づく。

もう、彼らはボクを「食べ物」としてしか見てなかった。

体をナイフで切開された。

内臓が露呈し、もう生きれる可能性はなかった。

痛みしか感じない。

ボクは食べられている。

おいしそうに食べられている。

もう死・・・・・・・・・・・・・・







目覚めるとそこはボクがいた場所だった。

ボクは体や、荷物を見たがなんともなかった。

何が起こったか、どうしてボクは生きているのかもわからなかった。

混乱のなか一つわかった事がある。




「ボクは何でこんなに震えているんだ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ