素直になればよかった
ピンポーン
今日もインターホンが鳴る。
また寝坊。私は焦って家の中を走り回る。
「うわー!今行くー!」
朝食のパンを咥えて、玄関へ向かい、靴を履く。
「おはよ。」
「もごもご(おはよっ)」
あぁ、また1日が始まった。
「お前今日も寝坊かよ(笑)」
「別にいいじゃない!あれからもうすぐ1年も経つんだから大丈夫なのに、わざわざ迎えに来るのはどこの誰よ!」
「あいつに頼まれてんだよ!お前の側にいろって」
「はいはい。そうでしたね〜」
登校中、近づいてくる受験の話をしながら私はあることを思い出していた。
私たちはこの間まで仲良しな3人組だった。
仲良しであり、私の彼氏でもあった工藤龍人は去年の冬に亡くなった。
中学3年生のとき、私は龍人と同じクラスになり、仲良くなった。やがて、付き合うようになった。
それもあってか、龍人の親友の中村瑛太とも仲良くなった。
受験生であった私たちは3人で同じ高校を受験し、見事全員合格した。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
急いで玄関を出て元気に言った。
「おっはよー!」
みんな前とは違う制服でなんだか面白かった。
「龍人似合ってる〜!」
「ありがと(笑)萌花も似合ってるよ!」
「俺は?俺は?」
「瑛太は・・・まだ中学生ね〜(笑)」
「なんだとっ!おいっ!龍人なに笑ってんだ!」
「萌花はやっぱり正直者だね(笑)」
「まあね!ほら、早く行かなきゃ遅れちゃうよ!」
こうして私たちは春空の下走り出した。
お粗末な作品を読んでいただきありがとうございました。次回の掲載は未定ですが今後も宜しく願いします。