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ブレーメンの屠殺場  作者: NiO
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3

 -部屋の中には2匹の動物がいます-


 鶏の少年はパラパラと手帳を捲っていた手を止め、部屋の中へと視線を移動させて、驚きます。


「あ、あれ?


 猫屋敷さんと……南さん、は!?」


 鶏の少年の怒鳴り声に、驢馬の少女は「う、あ、え」と口ごもります。


「二人とも、居ないんですか!?」


「え、あ、あれ?


 し、知らない……です……」


 驢馬の少女は涙目で、思わず敬語になりました。


 2匹が居なくて驚いている、と言うよりも。


 鶏の少年が怒声を上げていることに驚いているみたいです。


「あ……す、すみません、驢馬塚さんを責めるつもりで言ったんじゃありません……」


 鶏の少年が頭を下げたので、驢馬の少女も少しだけ落ち着きます。


「で、でも、確かに、おかしいね。


 西(あき)ちゃんだけならともかく、小犬丸君まで……一体、どうしちゃったんだろ?」


「全く……二人で一緒に何かしてるんですかね?


 ……すみませんが驢馬塚さん、二人に電話してもらっても良いですか?


 私は、また改めて予定を立て直さなくちゃいけなさそうなので……」


 いつもなら自分で電話をかけそうな鶏の少年は、またもや手帳とにらめっこを始めました。


 なんだかいつもの鶏の少年とは違うな、と思った驢馬の少女でしたが。


 皆のために一生懸命立てた計画が崩されたら誰でも怒りますし、そのために改めて計画を立て直すというのも、非常に鶏の少年らしいのかな、と思い直し。


 静かに頷いて、2匹の携帯に電話をかけます。


「……」


 けれども。


 2匹とも、何故だか(・・・・)


 電話を、取らない、のでした……。

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