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ブレーメンの屠殺場  作者: NiO
第14-21日目 音楽室:真夜中の音楽会
12/53

第3回 情報共有

ブックマーク2人目頂きました。

頑張ります!

 時刻は23時過ぎ。

 場所は中学校の家庭科室。


「……はあ、はあ、……どうやら、クリアみたいですね」


 全力で人体模型を追いかけ続けていた4匹は、携帯を確認してその足をやっと止めます。 

 携帯の画面を確認すると、止まっていた時刻は動き始めていました。


『11時00分23秒 “第14日目”

 2問目 クリア』


 そしてまた、校内放送が流れます。



♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪


『全校生徒のみなさん。

 夜中の11時です。

 校舎の中に残っている人たちは。

 急いで音楽室へ集合してください。

 繰り返します……』


♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪


「今度は……”音楽室”かァ」


「ううう……も、もういや……」


「……それはみんな一緒ですよ。

 さあ、次の『21日目』は24時ちょうどです。

 それではいつもの情報共有をしましょう……その前に一言」


 鶏の少年は驢馬の少女に向かって深く頭を下げます。


「え? え? な、なに?」


「……つい先ほどの動く人体模型を見るまで、驢馬塚さんの発言を軽く見ていました。

 天才失格ですね。

 申し訳ありません!!」


「あ、う、うん。

 いいよ、き、気にしてないし、当たり前だと思うし。

 それよりも、さ、さっきの話……」


「ええ、もしも何か危険だと思いましたら教えてください。

 可能な限り従いたいと思います」


 柔軟性がないと言いながら、彼は霊能力についてすぐに順応し、過ちに対して頭を下げることができるのです。

 まさに、天才たる所以なのかもしれません。


「そうだなァ、サスガ小鳥遊”センセイ”。

 良いことをしてもらったら『ありがとう』

 悪いことをしたら『ごめんなさい』だよなァ」


 犬の少年は猫の少女を見ながら犬歯をむき出しにして笑います。


「は? なにそれ?

 言う訳ないじゃん、馬鹿なの死ぬの?」


「”バカ猫”サン、お前がな」 ビキビキ!?


「ぐげえええええおはようありがとうしつれいしますすいません」


 容赦のない男女平等パンチ。

 猫の少女は1人でオアシス挨拶運動をしながら地面とキスをします。


「僕から言いたいのは以上です。

 ……他に、何か情報のある方はいますか?」


 ここで初めて猫の少女が手を揚げました……土下座の恰好で。


「ふふふぅ、あたしは最強の情報があるよ~ン」


「へえ、なんだァ?」


「んー? 野良犬くん。

『教えてください お願いします』、は?」


 ここで、犬の少年の血管が切れる音がしました。


「あァ? クソ猫……”転ば”されてェかあ?」 !?


「あれあれ? 良いのかなあ、そんなこと言っちゃって」


 なんだか、雰囲気が良くないです。


「や、やめようよ、仲間割れなんて。

 ね、猫屋敷さん、教えてください、お願いします!」


 間に驢馬の少女が入ったため、2人は舌打ちして引き下がります。


「是非知りたいですね。

 僕からもお願いします」


「『教えてください(・・・・・・・) お願いします(・・・・・・)』……」 ビキビキ!?


「……ふーん、ま、いっか。

 良いよ、教えてあげる。

 このミッションの裏の顔。

 それは……」


 猫の少女がそこからたっぷり30秒ほど間をあけます。

 その間に犬の少年の舌打ちが5回ほど入りました。



「それは、ズバリ、『ウチの中学校の7不思議』なのだ!!」




 ……3匹は「何言っているんだコイツ」という顔をしました。

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