第3回 情報共有
ブックマーク2人目頂きました。
頑張ります!
時刻は23時過ぎ。
場所は中学校の家庭科室。
「……はあ、はあ、……どうやら、クリアみたいですね」
全力で人体模型を追いかけ続けていた4匹は、携帯を確認してその足をやっと止めます。
携帯の画面を確認すると、止まっていた時刻は動き始めていました。
『11時00分23秒 “第14日目”
2問目 クリア』
そしてまた、校内放送が流れます。
♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
『全校生徒のみなさん。
夜中の11時です。
校舎の中に残っている人たちは。
急いで音楽室へ集合してください。
繰り返します……』
♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
「今度は……”音楽室”かァ」
「ううう……も、もういや……」
「……それはみんな一緒ですよ。
さあ、次の『21日目』は24時ちょうどです。
それではいつもの情報共有をしましょう……その前に一言」
鶏の少年は驢馬の少女に向かって深く頭を下げます。
「え? え? な、なに?」
「……つい先ほどの動く人体模型を見るまで、驢馬塚さんの発言を軽く見ていました。
天才失格ですね。
申し訳ありません!!」
「あ、う、うん。
いいよ、き、気にしてないし、当たり前だと思うし。
それよりも、さ、さっきの話……」
「ええ、もしも何か危険だと思いましたら教えてください。
可能な限り従いたいと思います」
柔軟性がないと言いながら、彼は霊能力についてすぐに順応し、過ちに対して頭を下げることができるのです。
まさに、天才たる所以なのかもしれません。
「そうだなァ、サスガ小鳥遊”センセイ”。
良いことをしてもらったら『ありがとう』
悪いことをしたら『ごめんなさい』だよなァ」
犬の少年は猫の少女を見ながら犬歯をむき出しにして笑います。
「は? なにそれ?
言う訳ないじゃん、馬鹿なの死ぬの?」
「”バカ猫”サン、お前がな」 ビキビキ!?
「ぐげえええええおはようありがとうしつれいしますすいません」
容赦のない男女平等パンチ。
猫の少女は1人でオアシス挨拶運動をしながら地面とキスをします。
「僕から言いたいのは以上です。
……他に、何か情報のある方はいますか?」
ここで初めて猫の少女が手を揚げました……土下座の恰好で。
「ふふふぅ、あたしは最強の情報があるよ~ン」
「へえ、なんだァ?」
「んー? 野良犬くん。
『教えてください お願いします』、は?」
ここで、犬の少年の血管が切れる音がしました。
「あァ? クソ猫……”転ば”されてェかあ?」 !?
「あれあれ? 良いのかなあ、そんなこと言っちゃって」
なんだか、雰囲気が良くないです。
「や、やめようよ、仲間割れなんて。
ね、猫屋敷さん、教えてください、お願いします!」
間に驢馬の少女が入ったため、2人は舌打ちして引き下がります。
「是非知りたいですね。
僕からもお願いします」
「『教えてください お願いします』……」 ビキビキ!?
「……ふーん、ま、いっか。
良いよ、教えてあげる。
このミッションの裏の顔。
それは……」
猫の少女がそこからたっぷり30秒ほど間をあけます。
その間に犬の少年の舌打ちが5回ほど入りました。
「それは、ズバリ、『ウチの中学校の7不思議』なのだ!!」
……3匹は「何言っているんだコイツ」という顔をしました。