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第参話『初仕事』

どうも皆様!

今日は夜狩の第3話を公開したいと思います!

今回は、謎に満ちた夜狩の仕事内容を説明したいと思います!えっ?誰も聞きたくない?……と、とにかく、本編どうぞ!


壮也「逃げたな」


「夜狩」と書かれた看板を持つ一つの建物。

普段は影と静粛に包まれ、外にはあまり音が漏れる事のない静かな建物、だがその建物内から、普段の静粛をぶち破るように声が漏れるのだった。





「うわ~~、ここが夜狩の事務所ですか?」


興味深そうに、辺りを見回す一人の少女、千里聖奈。

彼女の目の前には、探偵事務所のような机や椅子、機材などもタイプライターやノートパソコンなんかも置いており、ここまではどこにでもあるような事務所。だが、ここを異常(アブノーマル)と呼ばざるを得ないのは、椅子のすぐ近くにある暗牙四斬(アンガシザン)と呼ばれる手裏剣のような武器。それが置かれている事だった。





「……」


間近で見てみると、刃先はとても鋭く、大きさもかなりある。

ディアノーグと呼ばれる化け物と戦っていた壮也は、これを簡単に扱っていたが、聖奈が持つとかなりの重量があり、本の1㎝浮かすだけで精一杯だった。




「あの人、よくこんなの軽々と持ててるな~」






「どうだ?事務所の見学は?」


一通り事務所内を見回った後、声を掛けられ、振り返るとそこには壮也の姿が。




「大体終わりました。意外と夜狩って普通の事務所って感じですね」


「そうか」




「はい、あの手裏剣みたいな武器がある事以外は……」


「この仕事する上では必需品だ」


「へぇ~~」



「まぁお前もいつかはあれを扱ってもらわなくちゃな」


「はい!?」


「ははは、冗談だ。お前にあんなの扱える訳がなのは端から分かってる。だが、今後仕事する上では、少なくとも基礎ぐらいは知ってもらわなきゃならないな」



軽く笑いながら言うが、聖奈にしてみれば壮也の冗談は冗談に聞こえない。

お金に目がくらんだとはいえ、やはりこの仕事に就職したのは間違いなのではないかと後悔し始めている。





「まぁそんな話は置いといて、もうそろそろ来る頃だな」


「何がですか?」


「スポンサーだ」


「?」






そんなやり取りをしていると突如インタホーンが響き、早速玄関前まで移動すると、そこにはスーツ姿で執事のような格好をした男性が居た。



「待ってたぜ、クラン」


「どうも壮也さん」


「早速で悪いが、報酬の方は?」


「えぇ、アブソディアノーグの報酬金はざっと80万程ですね」




「!?」


クランと呼ばれたその男は、80万を現金で壮也に手渡し、それを見ていた聖奈は思わず動揺していた。なぜならその金は軽く一般的な公務員の給料を軽く超えており、聖奈にとって大金ともいうべき額だった。だが、その金を見ながら、壮也は苦い顔をしている。




「偉く安すぎねぇか?幾ら雑魚とはいえ、せめて100万程は行ってるだろ?」


「そんなものですよ。被害も小規模、我が本部でも問題視していない。いわゆる論外ですから」


「だがこっちは襲われそうになった一般人を助けたんだぜ?そう言う功績も含めて報酬を増やしてくれたって構わねぇだろ?」



80万と言う金は私に言わせればに大金と言うべき額なのだが、どうやら彼はこれで満足はしていない様子。そして私を示しながらクランに言う。





「あちらがあなたが助けた一般人ですか?」


「あぁ、そうだ」


「唯の一般人があなたと一緒に居ますか?」


「あの後、夜狩に興味持ったらしくてな、働きたいっていうからここで就職させてやった」




誰がこんな物騒な仕事に志願するかー!と思いつつも、さすがにそれは言えなかった。なぜならここで働く話を持ちかけてきたのは向こうとはいえ、最終的な判断を下したのは自分なのだから。そしてなにより二人の話に割って入る勇気が今の彼女にはとてもなかった。




「ともかく報酬の変更は私なんかがどうこう言える問題ではないですから。一応一般人を助けた功績は伝えておきますが……」


「ふ~ん、ならついでに千里聖奈がルカと同じく俺のサポーターになったって伝えておいてくれ」


「分かりました、上に伝えておきます。まぁAランクの壮也さんなら、もっともっと稼げますよ。精々頑張ってください。私はこの辺で」



クランは壮也に一礼をした後、その場を立ち去る。









「ったく、こんだけとは少々きついな」


「こんだけって、80万は充分な大金だと思うんですけど?」


「何言ってやがる、上級ディアノーグを消去(デリート)すれば、こんなのが紙切れに感じるほどの大金が手に入る。1億や2億とか、簡単にな」



「1億や2億!!???」


「驚く事はねぇだろ?これぐらいは普通だぜ?」


「驚きますよ!1億とかもう私たち一般人の常識を超えてますから!」


「そうは言っても、夜狩は命を掛けた仕事だぜ?それに釣り合った報酬をもらうのは当然だろ?」



「そ、それはそうですけど」


「後これは祝い金だ。取っときな」




それだけ言うと、机に10万を置く壮也。

その金を受け取ると、彼女はこの仕事を選んで良かったと考えを改めるのだった。






『報酬来たみたいだね。どうだったの?』


そこへ割って入るように顔を出すルカ。



「どうも何も最悪だ、80万なんて予想していたより低い」


「あらら、まぁいいじゃない。ダーリンならすぐに稼げるしね」



いつものように抱きつこうとするルカをひらりとかわし、手元から20万を取り出してそれをルカに投げ渡す。




「ほれ、お前の分だ。報酬の4分の1」


「相変わらずありがとね。やっぱダーリンってば優しい!」


「うるせぇーー」





手渡された報酬をしまうと、ふと聖奈の方を見て、彼女が持っている金を見てルカは驚いたように……。






「ちょっと壮也!あの子にも報酬を分けたの!?」


「別にいいじゃねぇか、祝い金だよ祝い金」


「何が祝い金よ!いい?世の中お金で回ってるんだよ?だからまだここに入って間もないあの子にお金渡すのはどうかと思うんだけど?」


「別にいいだろ?お前の分もちゃんと渡したしな」


「だから自分の分を削ってまであの子に報酬を分け与えるのがおかしいって私は言ってんの!やけにそうやったらあの子の事気に入ってない?」



「何でそう言う方向に進む?第一俺は仕事のサポーターを自分の趣味で選ばない。俺が俺のサポーターを選ぶのは、そいつに光る物があるかどうかだ」


「光る物?私には全然感じませんけどね」



「お前我どう感じるかは知ったこっちゃない!ともかく俺は情報収集に出かける。お前はあいつにこの仕事の基礎やら色々教えてやってくれ」


「はぁっ!?私が?」


「当然だろ?ともかく頼んだぜ」



「ちょっ!壮也!!」



ルカの言葉を最後まで聞かずに壮也はその場を立ち去り、”ガチャンッ”と扉のしまる音が聞こえると、ルカはどっとため息を吐くのだった。






「はぁ、聖奈!……いる?」



ルカの呼び声を聞くと聖奈は返事をしながらルカの元まですぐに駆け寄る。





「いい?あんたに夜狩りについて説明するよ、よーく聞いておいてね」


「はい」


「まず夜狩って言うのは、アンタを襲ったディアノーグと呼ばれる化け物。あれを即刻、消去(デリート)それが夜狩にとって重要な仕事よ」


「それは分かりましたけど、夜狩ってあぁいう化け物倒せば報酬が出るんですか?」


「そう、さっきクランって人が来たと思うけど、あれは夜狩を支援する「ギルド」っていう本部の人なの。化け物を倒せばギルドから報酬がもらえる。下級のディアノーグならそれぐらいの、上級ディアノーグなら多額の報酬が得られる。後、倒すディアノーグによっては夜狩のランクを上げられることもできる」



「夜狩ってランクも存在するんですか?」


「えぇ、S、A、B、C、Dの五段階が存在してる。ちなみに言うと壮也のランクはA。まぁダーリンならAランクぐらい当然だけどね」


「へぇ~~」


「まぁこれが夜狩について、他に聞きたい事はある?」


「いえ、特にないです」



「それならいい。あと言っとくけど!絶対私達の足を引っ張らないようにね!」


「は……はい」




「じゃぁ今から私達の仕事について教えるよ?」


「はい」







それだけ言うと、二人は場所を変え、別の部屋へと移動し……。













「私達の仕事、その一。扱っている武器の切れ味を常に保つ事」



砥石で壮也が扱う暗牙四斬の切り先を研ぎながら言うルカ。

常に夜狩が扱う武器は、ルカ曰く万全の状態にしていなければならないとか。




「研ぐのはいいけど、これ結構重くて……って!きゃぁーーっ!指切った!!痛ぁーっ!」


「アンタ何やってんのよ」



どたばたと騒いでいる聖奈に反場呆れ気味の様子のルカ。

そして一つ目を終え、続く二つ目の仕事のため、また場所を移し……。








「二つ、常に情報収集を怠るな」


「つ、次は何を?」


「……でも今壮也がやってるから別件。だから私達の管轄外」


「ズコッ!」



思わずこける聖奈。ルカに対して「だったら言う必要ないでしょ」と言いたかったが、さすがにそれは言えないと、抑えておくのだった。





「まぁ仕事はこれだけ」


「これだけ……ってこれだけですか!?」



今度は思わず突っ込まずには居られなかった。

たったこれだけで10万程もらうなんて、周りから見れば給料泥棒同然だ。




「アンタの仕事はこれだけ。入って間もない内はこんぐらいよ」


「ルカさんは他に何かやってるんですか?


「出来る限りのサポート。巻き込まれそうな人を逃がしたり、いざとなれば壮也を助けたりね」


「危険じゃないんですか?」


「いいのよ、別にアンタに関係ない。私が進んでやってる事だからね」



「…………」


「まぁとりあえず説明する事はここまで、あと言っとくけど!絶対壮也は渡さないからね」


「はい!?な、何の話ですか?」


「ふん!」




それだけ言いながら、ルカは聖奈から視線を外しその場を立ち去っていく。

どうやらルカに目の敵にされているらしく、その理由が何なのか彼女は思い当たる節を探るが、今の彼女がその理由に気づく訳がなかった。
























『よぉ、戻ったぜ』



しばらくしてようやく壮也が戻るが、戻って早々事務所にあるソファーにもたれている聖奈を見て、思わず動揺するのだった。



「ど、どうした?何かえらくやつれてるな」


「だって私偉くルカさんに目つけられてるみたいで……色々疲れますよ」


「やっぱりルカが原因か……まぁこれから一緒に仕事する仲間だ、多少は我慢してくれ。な~に、直にルカもお前に対して目くじら立てる事も無くなって来る筈さ」


「だといいんですけどね……」



「まぁともかく、それより吉報だ」


「吉報?」


「新しいディアノーグの情報を掴んだ」


「へっ?」



「早速向かうぞ」


「早速ってもうすぐ夜ですよ!?」


「何言ってやがる、夜になってからが俺の仕事じゃねぇか。さっさと支度してろ」




そう言いながらルカも呼び、支度を済ませると3人は大型のバイクに跨り、アクセルを踏み、エンジン音を鳴らしながら夜の街を疾走するのだった。













『どうやら尻尾掴んでくれてるみたいね』


その様子を眺める一つの影。その影は壮也達を見ながらそう呟くと、壮也達の後を追うようにバイクに乗り、同じく夜の街を疾走するのだった。




いかがでしたか?今回の夜狩第3話!

今回は軽く本編を通して夜狩についての説明をさせてもらいました。まぁルカに目の敵にされ、かなり聖奈は疲れてますが(笑)


ちなみにルカの性格や見た目などゴーカイジャーのルカをモチーフにしてます。

まぁ本来のルカはあんな性格ではありませんが、悪魔であれは壮也にだけという事なので、聖奈や他の人物には……。



後、夜狩についてはまだまだ語っていない部分もありますが、今後の話で詳しく語っていきます。



そして今回の話の最後で登場した謎の人物。

その人物については次回の話で明らかになるので、どうか次回も読んでいただければ幸いです。


今後もぜひよろしくお願いします。


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