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受験生なんであんま更新できません
すいません
「はっはっはっは。そうか、また殿下にからかわれて来たのか」
「笑い事じゃねーっつの」
話している相手は親父。
名前はエリック。
といっても本物の父親ではない。
急に何だよって言われそうだけど言っておくと、
俺は物心つくまえに親に捨てられたんだ。
理由は一般家庭として生まれたにしてはあまりにも大きい魔力を秘めていたから。
親は気味が悪がって捨てたらしい。
え?お決まりだって?
しかたねーだろそれが俺の人生なんだ。
まぁそんな捨てられた俺を拾ってくれたのがエリックって訳だ。
「しかしお前は殿下に気に入られているな」
「いや……」
「気に入られてるんだよ。それにお前は国だけじゃなく世界を代表する勇者だ。その者を国のトップのお方が大事に思うのは当然のことだ」
「大事に……?」
無意味に呼び出したり、無茶な仕事押し付けたり……。
「大事にはされてないと思うが……」
「いやいや、俺から言わせれば十分に大事にされてるよ」
「…………」
「受動者はわからないもんだ」
あの人が……俺を……。
「しかしお前も変わり者だよな」
「何が」
「殿下のこと、好きなんだろう?」
「な!?」
「年の差を省みず……、俺は応援してるぞ!」
「い、意味わかんねーよ!」
「焦るな焦るな。わかりやすい奴だ」
「このっ…………!」
「それに証拠もあるぞ」
「な、何だよ。言ってみろよ」
「ふふふ、好きでも無い相手の横暴な呼び出しに普通応じないだろう」
ぐ……。
「それは殿下からの命令とあれば……」
「この国にはそんな強制的なものは存在しないだろうが」
「…………っ」
痛い所をつかれる。
そうなのである。
この国、身分差などあっても無いようなものなのである。
なんでも殿下が八十年前に身分差を無くす法を作ったようで。
身分差があってもそれを濫用してはいけないとされている。
もちろん貴族や王族が、それこそ百姓と食っしても何の問題もない。
身分が無意味になった今、無理な政略結婚は減った。
実際に現国王は商人の娘を娶ったくらいだ。
この法も殿下が人気である理由の一つである。
「俺は悪いことはだとは思わんよ」
「ち、違うぞ俺は!」
「ふ、まったく素直じゃない奴だな。親代わりとして恥ずかしいぞ」
「う、うるせぇ」
「はっはっは」
こ、この野郎が!
俺の魔法で焼き尽くしてやろうか!
「だが……、」
「んあ?」
エリックが何かボソボソと呟いた。
「なんか言ったか?」
「……いや、俺はもう寝ると言っただけだ。おやすみ」
……?
何だ?意味深だな。
「ああ、おやすみ」
俺は少し何と言ったか気になったがまたどうせくだらないことだろうと気にはしないことにした。