7/29
彼の秘密(Ⅲ)
…誰?
今のは…
閉まったドアの前で私は足を止めていた。
一度閉めたドアを私は再び開ける事が出来ない。
でも…この壁の向こうに瞬の他に誰かいる……
…お手伝いさん?
違う…
お手伝いさんなら『瞬チャン』なんて呼ばない。
瞬は今一人じゃないの?
…
その後どうやって家まで帰ったのか、
あんまり覚えてない。
知りたい…声の主。
気付けば翌日。
その日も瞬は同じ理由で学校を休んだ。
『ウソツキ…』
昨日は来るって…言ってたじゃん。
瞬のバカ。
先生もバカ。
また私に瞬への手紙押し付けないでよ。
なんか…私だけ気まずいじゃんか…
でも…昨日の声の主。
わかるかも…
瞬…知りたいよ
瞬の全てを…