彼の秘密(Ⅰ)
ある日、瞬が学校を休んだ。
家が近所の為、私は学校からの手紙なんかと一緒に
瞬の家へお見舞いに行った。
瞬の家の前。
相変わらず大きな門。
昔(小学生の頃)何度か友達と遊びに行った事があるけど…
庭だけで私ん家…入りそうだ。
門の傍にある呼び鈴を鳴らす。
呼び鈴のスピーカーからお手伝いさんの声がする。
私は事情を話すと門の扉が開く。
『どうぞお入りください』
その声で私は門の中へと入いる。
門から家の玄関口までかなり距離がある。
玄関口まで庭の中心の石畳の上を歩いて行く。
瞬の家の庭…
昔と変わらない。
綺麗で…大きくて素敵なお庭。
ホント…私何かとの一般庶民とは住む世界が違う。
庭はお手伝いさんがいつも手入れしてある。
辺りはまるでお花畑のよう。大きな池もあるし、
木で出来たブランコや砂場まである。
「…」
私は足を止める。
…
あの砂場…最近誰かが使ったのかな?
砂で出来たトンネルやバケツにスコップまである。
瞬?……まさか…瞬がそんなことするわけないし…
『…』
そんな事を考えながらまた足を進める。
そしてやっと辿り着いた。
私は再び玄関口の呼び鈴を鳴らす。
しばらくするとドアが開く。