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彼の気持ち(Ⅱ)



瞬と二人きり…

しかもこの状況を作ったのは瞬。

私の心臓は激しく動いた。


二人が出て行くと、瞬は私の方を見る。

「…」

いつもの瞬と、どこかが違う。

「? どうしたの??そんな真剣な顔して…」

少し深刻な顔をした瞬は、戸惑いながらも口にした。

「実は…愛に頼みがあるんだ?」

頼み?…瞬が私に?


動揺する気持ちを押さえ、私は平然を装う。

「頼みって何?私で出来る事なら何でも言って?」

瞬の頼みなら、何でもする(聞く)よ?

「ありがとう」

私は首を横に振る。


瞬は少し躊躇いながら言った。

「実は…」

「うん」

「これからもちょくちょく美月と会って欲しいんだ…」

「ぇ?」

「その…美月のこと知ってるの、愛だけだし…

美月にも、姉みたいな存在がいた方が良い(必要)と思って…」

瞬は…

「だから……ゴメン…勝手なことばかり言って…」

美月ちゃんが

「でも私…」

「…」

「美月ちゃんに、嫌われてるみたいだし…」

とっても、大事なんだね?


その理由…

なんでか、凄く気になるよ?


私…あんな小さな子に嫉妬してる。

何か、情けないな。


「そんなことないよ」

「でも…」

「確かに、今はまだ(愛の事)警戒しているみたいだけど…

きっと心を開いてくれるよ?」

「そうかな?」

瞬は頷く。

「愛が美月に、ちゃんと心を開いたらね?」

「ぇ?」

「愛のその不安な気持ちとかが、美月には伝わっているんだよ?」

「どういうこと?」

「あの子(美月)は、人の感情(反応)とかに、凄く敏感なんだ」

「…」

「無理かな?」


「ねぇ?」

「なに?」

知りたい…

「なんで…瞬はそこまであの子に執着するの?」

「…」

私が聞くと瞬は口を閉ざした。

そして

「ゴメン…」

謝った。

「それは…言えない」

なんで?

「なんで言えないの?」

口が勝手に開く。

「愛…」

「私…誰にも言わないよ?」

ホントだよ?


それとも…

「なんで?」

私だから…言えないの?

「ゴメン…」

謝らないでよ。

そんなのが聞きたいんじゃない。


でも…私に謝る瞬の顔は、

凄く辛そうだった。

「ゴメン…」

「愛!?……何で愛が…」

私…

瞬にそんな顔させたくないよ。

「…私でいいなら、いいよ?」

「ぇ?」

「美月ちゃんの遊び相手…」

「愛…」


瞬?

私待つよ?

瞬が私に言いたくなるまで、私待ってる。


「ありがとう」

私は静かに頷いた。

だってそのお願いは…私にしか出来ない事なんでしょ?

なら私…喜んでするよ?瞬の為に…





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