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彼の気持ち(Ⅰ)
紅茶を入れ終えると、
聡さんは焼き菓子を置いて、部屋を出ようとした。
「では、失礼し…」
「ちょっと待って?」
「どうされました?」
そんな聡さんを、瞬が引きとめる。
「美月?天気もいいし…聡さんと少し、外で遊んでおいで?」
瞬が美月ちゃんにそう言うと、
彼女は立ち上がり、彼の方へと近寄って行く。
「ォ砂場デ遊ンデモイイ?」
美月ちゃんがそう言うと、瞬は頭を撫でて言った。
「いいよ?」
瞬がそう言うと美月ちゃんは少し嬉しそうにした。
それが私の見た、初めての彼女の笑顔。
「では、失礼致します」
軽く頭を下げると、彼女は美月ちゃんを連れて部屋を出て行った。