想い出
久しぶりに瞬の家の中に入った。
庭と同様。相変わらず変わってない。
広くて、豪華なお家(屋敷)。
瞬の部屋のベッドも変わってない。
昔と変わらず大きなベッド。
大人が、軽く三人は入れそうなフカフカのベッド。
以前、遊びに来た時。皆(五人)でこのベッドに乗り込んだ。
あの時は何が可笑しかったのか、それで皆笑ってた。
…でも、そんな時瞬は、この窓から空を見上げていた。
あの時、瞬は何を思っていたのかな?
今でも、この窓から空を見上げてるの?
…
なんだか懐かしい…
そんな事を思っている内に、
瞬と美月ちゃんが着替えを、終えて戻ってくる。
瞬は私を見て言った。
「そんな所で突っ立って、何をしてるの?」
その時の瞬の目は、少し優しかった気がした。
そんな瞬のせいなのか、思い出のせいなのかは、
分からないけど、嬉しくて自然と笑顔になった。
「なんだか懐かしくて」
「そう?」
「うん♪今想い出に浸ってたとこなの」
ぁ…
「そう」
また、瞬が軽く微笑んだ。
瞬はあまり笑顔を見せないから、それがなんだか特別に見えた。
(愛想(表面)笑いはたまにするけど…)
今日はちゃんと目が笑ってる。
その吸い込まれるような優しい目が、私は好き。