寄り道(Ⅲ)
瞬があの子を連れて戻って来る。
私に気付いたあの子は、あの時のように瞬の後ろに隠れるように顔を出す。
そんな彼女を見て、私は話しかけた。
「美月ちゃんこんにちは?」
「…」
美月ちゃんは私を警戒しているのか、その場を動こうとしない。
「美月?」
瞬のその一言で、要約反応する。
瞬を見上げ、恐る恐る前へ出る。
「コンニチワ…」
微かに上(私)を見上げ、小さな声でそう言う。
そんな彼女に、あの日と同じように頭を撫で笑顔を向ける瞬。
その笑顔が、さっきまで考えていた沢山の疑問を更に疑問にさせる。
そしてまた歩き出す。
いつもの帰り道。
長いような短い道のり。
気づけば瞬の家の門の前に立っていた。
まだ一緒にいたい。
そう思っていた私に、瞬が声を掛けてきた。
「愛…この後用事とかあるの?」
「ぇ?」
私の想いが届いたのか…
「もし暇なら、ちょっと寄って行かない?」
「…いいの?」
「うん」
瞬?
私、瞬の事良く分かんない事、多いんだけど…
瞬の事、好きでいてもいいよね?
瞬は何とも思ってないのかもしれないけど、
私、バカらから、その何気ない一言に、凄くドキドキしてるの。
ホンノ僅かの可能性でも、私は期待しちゃうよ?