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ハジメテ(Ⅰ)
「では、これから願いします」
「わかりました…美月ちゃんこれからよろしくね?」
これは少し前の話。
そう…僕が再び日本へ戻って来てすぐの頃。
美月を連れてある保育所へ向かった。
僕も学校がある為、日中は美月を見てくれる人がいない。
お手伝いさんはいるけど、
これ以上、彼(彼女)等には迷惑掛けられない。
それにこれは僕自身で決めた事だから。
彼女は僕が護ると…
美月はまだ人との繋がりをよく知らない。
ここ(保育所)に来たのは、
美月にとってもいい勉強になると思ったから。
美月がここで上手くやっていけるか…
正直、不安な面も沢山あった。
「美月?…先生のお話をよく聞くんだよ?」
僕がそう言うと、美月は不安そうに僕を見上げ、軽く頷く。
そしてこれが、今日からの僕の日課の一部になるだろう。