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リア充の異世界放浪旅〜陽キャは異世界でも有能です〜  作者: 絶望的メガネ
スカー王国篇

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第二十二話 刹那の剣戟

実際どちらが強いのだろうか。

俺は速さが好きだ。

だからなのかは知らないが俺の能力は速さに関係するものになった。


俺は強い。

地元では俺より強いやつなんて存在しなかった。

そのどんな強い攻撃も避けてしまえば関係無い。

だがそんな俺を打ち負かす人間は地元を出てしまえば山程現れた。

それは総合力の話だ。


ガルガンのタックル、恐ろしいスピードは当たれば俺の骨など簡単に砕くだろう。

受け身を取ろうが関係無い。

回避するしか無いのだ。


そして俺は知った。

速さで負けることが、俺唯一の武器が負けた瞬間がどれだけ絶望的で、どれだけ悔しくて、どれだけ辛いかを。


「……負けられねぇんだよ!!」


四天王としての面子を保つ為、俺は勝つ。


その決意を感じたのか、ガルガンもタックルの構えをとる。

俺なら避けることができる。

集中しろ、瞬きをするな。

一瞬でも、刹那でも見逃すな。

動きの始まりを見極めろ。


その集中力はとても大きく、目や喉が渇くことにも気が付かない程であった。


「ーーッ!!」

「ここだぁぁ!!」


ガルガンの初動を五感全てで感じ取ったアレフは異能を使用し、影を残す速度で回避した。

横に躱したアレフはガルガンの背後を取る。


「もらったぁぁ!!」


すかさず接近し、うなじに剣を叩き込む。

全力を込め剣戟を打ち込んだ。

異常な硬さはその種族から来るものなのだろうか。

奴の異能は瞬間的加速といったところだろう。


そしてその異能にはおそらく回復までの時間が空く。

そこが付け入る隙だ。

剣が首に打ち付けられる音は鍛冶屋で聞くことができる剣を打つ工程を倍速したようなものであった。


甲高い金属音の鳴り響くその場では激しい猛攻が繰り広げられていた。

剣は刃先がボロボロになり悲鳴を上げている。

もはや斬撃ではなく打撃とも取れる猛攻はガルガンへ小さくも積み上がるダメージがあった。


ーーだが決定打となる攻撃は出ない。

ガルガンは険しい表情で堪えている。

その表情は痛みではなく退屈を表しているのは容易に想像できる。


絶対にここから先へは進ませない。

そしてお前を倒して俺はこの国を守る。

俺を生かしてくれたこの国を。


「ガアァァァァァ!!」


腹から声を絞り出す。

今にも腕がもげてしまいそうだ。

体を捻り剣を何度も叩き込む。

回転を生かし斬り続ける。


「うんざりだ……!!」


ガルガンが動く。

その巨体を動かしアレフを振りほどく。

アレフが体勢を崩し、後ろに引く。

その時点で彼の猛攻は息を引き取った。

ガルガンが拳を振り上げる。


(くる……!! 奴の一撃が……!!)


ーーアレフは思ってもいなかった。

奴がガルガンの重撃が。

連撃へと切替出来てしまうことを。


「ーー逝け」


刹那、目に見えぬ連撃がアレフを襲った。

初撃は回避するも二撃目が来ることを想定しきれず、拳を受ける。

空中に避けたアレフは二撃目を掠め怯み、三撃目をもろに受ける。


「グフッッッ……!!」


四撃目、五撃目と追撃を食らう。

ここからは悲惨であった。

何十もの神速の拳を何度も身体に受け続けた。

もはや痛みも感じぬ程であった。


「終わりだ」


最後の一撃が入り、超連撃は幕を下ろした。

拳を受けた無残な屍は青い肌を持っていた。

そう、青い肌だ。

 

「自分の部下殺してどうすんだこのバカ!!」


アレフは背後に回り奇襲する。

彼の全力の一撃はガルガンの首に軽い切れ込みを与えた。


「こっからだあぁぁぁ!!」


回転し、剣を叩き込む。

数と数の押し合い。

ここからアレフの連撃が始まった。


体を回転させ手に持っている日本の剣を連続で当て二回ずつ攻撃を入れる。

首にできた切り込みに剣を当て傷を抉る。

剣先やガルガンの首に血が滲む。


彼の表情をみると顰めていた。

今度の表情は苦悶の様子だ。

チャンスを逃すまいと更に斬撃を与えていく。


「ぐおぁぁぁぁぁ!!」


ガルガンが遂に抵抗した。

先程まで全く反撃せずに受け続けていたあのガルガンがだ。

それはガルガンの本気に近づいたということである。

彼は真後ろに回転し拳を振る。


アレフはガルガンの弾頭の様な爆発的な威力を持つ拳を見切り、腕にそっと短剣を当てる。

ガルガンの回転に威力を任せる斬り方だ。

アレフは考えを変えたーー否、改めた。

何も速度だけが全てでは無いと。


だから技術的な攻撃をした。

それに対応出来なかったガルガンは右腕に大きな切傷受けた。

右腕を抑え痛みに耐えている。

ガルガンは鍛え上げられたその肉体に驕っていた。

というよりはそもそも痛みを受ける機会が少なすぎた。


だからこそ痛みに弱く脆い。

アレフはそこを突いたのだ。


「貴様あぁぁぁぁ!!」


ガルガンは我を忘れ無我夢中で拳を振るった。

その拳にはキレが無く、速度が上手く乗って居ない。

ガルガンの異能は瞬間加速。

加速は一瞬の動きにのみ使える異能。

更に集中力と冷静さが無いと加速はうまくできない。

その条件を満たした暁には世界最速にも値する速度を賜ることが出来るのだ。


まぁ何が言いたいのかと言うと、


「ーーそれを失ったお前は雑魚って事だ」


「ふざけるなァァァァァァ!!」


ガルガンは執拗に首を狙い続けるアレフに怒りその場で暴れ首を自ら攻撃した。


「ウグッッッッ……」


脊髄に甚大なダメージが入る。

もはや冷静などとは程遠い精神状態である。

実に滑稽だ。


「これで終わりだ……!!」


アレフは神速の勢いで傷んだうなじを突く。

短剣は首に突き刺さり、鮮血を噴き出した。

探検を抜くと貫通し、その先の景色を映した。


「ア……アァ……」


体に信号を伝達する電線を破壊されたガルガンは掠れた呻き声を上げその場に倒れた。

もう体を動かすことは無い。

勝利したのだ。


自分の戦いを終わらせたアレフは透の方に目をやる。

透は目の前の敵そっちのけでこちらを見ている。

全く、何をしているんだか。


俺は透を助ける為近づく。

どうやら透は下を表す指文字を送っている。

何となくしゃがんでみた。

何故かは自分では分からない。

言葉で表すのなら好奇心だろうか。


すると空を切る鋭い音が頭上で響いた。


「これを避けるのか……」


振り向くとそこにはガルガンが居た。

その後ろには先程殺したガルガンの死体がある。


「何で……」


もう一人のガルガンは顔や腕に血管を浮かべた。

憤慨していた。

ガルガンの死体を見て、憎しみを浮かべていた。


「お前は俺の弟を殺した......決して許さない......!!」


ーーガルガンは2人いた。


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