表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊部隊シャドウズ・リーパーズ  作者: 鬼の居ぬマックス
蝗害 Locust plague
4/7

強制同盟 Alliance

【敵の敵は敵である】

この世界の一般的なことわざ。




異世界・アラテア

ヨルペイアン大陸・オフィリコン大陸の間にある地中海、

独立貿易島国家マロセ公国、首都マロセ市

グール大群覚醒事件から2か月後

第一回全種族会議



全人類議会は当初、とても楽観的だった。

バネゾラ王国には超大国たちの軍隊は進駐軍していたのでグールを一掃してくれると期待していた。


その期待はすぐに破られた。


グールの大群はイナゴの如く、あり得ない速さでギエナ高地を抜け出し、バネゾラ王国のほぼ全土3日間で落とした。辛うじて強力な対物理攻撃・退魔及び魔法攻撃結界で守られていた首都のケイラカス市と魔石最大採掘地区のエリノカ川周辺とモレカイポ湖以外は餌食となった。数十万にも及ぶ難民の大波が隣国のカレンビア帝国に押し寄せられ、対応する前にグールの大群に帝国が押しつぶされた。


グール大群の本隊はカレンビア帝国の瓦礫を越えて、エイメレカ大陸の中部を蹂躙した、ネカレグア公国やその周辺国家を4日間で陥落した。大陸の中部と北部に位置していたメクザー連邦帝国が一時的、侵略を止めたが、国内の麻薬組織がグールの死体から取れるとされた幻の興奮剤(麻薬)【エクサス】を得るため、防御結界及び帝国軍を攻撃し、グールの侵略を招いた。


メクザーの有数の都市であるゲダラヒラ市の結界が人為的ミスの影響で崩壊した、グールの大群に陥落し、市内にあった国内外用大型転送魔方陣が起動され、大勢の難民を餌食にしながらヨルペイアン大陸、エイショア大陸、オフィリコン大陸、エイメレカ大陸北部へと進行し始めた。


別のグールの大群が同じく滅亡したカレンビア帝国経由で小国であるイクエドル公国を滅ぼし、ペイルーン共和国へと進んだ。北部を蹂躙したものの、ベイルーンから南の複数の連合軍と強力な多重結界により、進行が阻まれた。


エイメレカ大陸南部の亜熱帯で亜人【獣人】地域も蹂躙されかけたが、オフィリコン大陸から強力な獣人の援軍と結界により、抑えられていた。


ヨルペイアン大陸の吸血鬼及び精霊人(エルフ)地域も侵略されたが、辛うじて侵略を抑えている現状。ヨルペイアン・エイショア大陸間にある小人(ドワーフ)地域も侵略受けたが、都市国家及び頑丈な城壁と結界で侵略を抑えていた。


オーガ、トロール。オークやゴブリン国家の多い、モウー大陸も侵略され、ぎりぎりの線で耐え抜いている状況だった。


南極の魔王領も海岸沿いのいくつの港町が陥落し、必死の抵抗で内陸への進行を抑えていた。


「それでは全種族代表の方々、第一回、会議を始めます。」


この世界で最も信者数が多い、そしてこの会議を提案した唯一神の公同正教の法王、エベリストス5世が会議開始宣言を行った。


神話に断片的に記録が残った8千年前、最初の文明を滅亡させたグール侵略以来、この世界の全種族が集まった。


「汚い亜人との会議はどういうつもりだ?!!」


いきなりチュウーエン労働者共和国の主席、チュー・シン・ペンが声を荒げた。


「落ち着け、この世界に住む全生命が蹂躙される危機だ!!亜人だろうが、なんだろうが、生き残るのは先決だ!!」


意外にアシュラキア連邦共和国の大統領、反亜人派のシェランプス大統領が声を上げた。


「ふん・・・確かに・・・グールの危機でなければ下等生物となんか話せるか!!」


精霊人(エルフ)の王、スレイメールは軽蔑の表情しながら話した。


「貴様、家畜の分際で声を荒げすぎ!!」


吸血鬼の王、ファイスタスはチュウーエン労働者共和国の主席を真っ直ぐ見ながら話した。


「皆様・・・落ち着きましょう・・我々、全員には時間がないのです。」


法王は参加者全員に向けて、真剣な声で話しかけた。

全員は法王に目を向けた。


「それでは、バネゾラ王国の首都、ケイラカス市へと水晶通信機を繋ぎます。」


大きな会議堂の中心に一人の男性の魔法映像が映し出された。


「余はフーゴ1世、バネゾラ王国の王だ・・・グールの大群は我が首都の結界を破りそうだ・・・助けてくれ・・・魔石はいくらでも上げます・・・助けてくれ。」


参加者全員、病魔によるやつれた顔をしている国王を見た。


「陛下、申し訳ございませんが、出来ないのです・・・これから予想される全種族の生存をかけた地獄のような戦争ではあなた様より魔石採掘場を守るのは最優先です。」


エベリストス法王は落ち着いた声で答えた。


「法王・・拝み屋のてめえは黙ってろ!!チュー主席、プテェン皇帝、ハメイネ主催!!我が首都・・・てか余を助けろ!!!約束しただろうが!!敵国のシェランプス大統領・・・貴殿でもいい・・・頼む・・・助けてくれ!!」


「ケイラカス市の多重結界は間もなく崩壊します。」


魔法映像機を操作していた司祭が参加者全員に報告しました。


「結界は崩壊だ!!グールが来る!!早く余を助けろ!!貴様らああ・・・!!!!」


不治の病に侵されていた国王は大きな悲鳴を上げた。


「接続を切りなさい。」


法王は司祭に命令した。


国王の断末魔が聞こえなくなった。


「皆様、見ての通り、バネゾラ王国は滅亡しました。」


法王は会議堂にいる全員に改めて報告した。


「魔石採掘場は大丈夫だろうか?」


魔王レゼーナスは質問した。


「全人類連合の兵士たちが必死で抵抗しています。」


多くの兵力をだしていたシェランプス大統領は答えた。


「我が吸血鬼精鋭部隊を向かわせよう。」


ファイスタス王が話した。


「我の優秀な戦士たちも行かせよう。」


トロールの長、ケオンが賛同した。


「下等動物と並んで戦うは好かんだが、仕方ない。」


スレイメール王も同意した。


「虎人、獅子人を中心の戦闘大隊を向かわせました。」


獣王、メイファスはその場で報告した。


「赤鬼大隊を行かせます。」


オーガ王、ガラペラスは約束した。


「我が魔王領の精鋭部隊、不死身団(インモータルズ)を出兵させます。」


魔王レゼーナスは全員に話した。


滅亡したバネゾラ王国の世界最大の魔石採掘場以外、アシュラキア連邦共和国、ローシェオ連合帝国、ゼウジ宗教王国、ニッポヌ列島皇国の海域内、南極魔王領のアスタベレス山脈、亜人のモウー大陸のビザマ山脈とテマイ湖などがありました。

会議で全種族、この戦いに必要不可欠な魔石を保護及び確保のため、部隊派遣の条約に署名した。


「では核心に進みますね。」


再び全員は法王を見た。


「シュルアーズ連合大統領、ご説明願いますか?」


ヨルペイアン大陸・ヨルベイアン連合の大統領が立ち上がった。


「映像を頼む。」


司祭とヨルベイアン連合士官の制服をした男性が魔法映像機を操作しだした。


上空から撮られた映像にはギエナ高地が映されていた。


「これを見ると深い森林しか映ってないに見えますね。」


全員は注意深く耳を傾いていた。


「魔法フィルターをかけるとこう映ります。」


ギエナ高地の森林に禍々しい黒いオーラがかかっていた。

一番高い地区に渦巻くような黒いオーラが覆っていた。その中心に多重結界に守られていた古代の神殿があった。


「魔法化学の観点から考えるとグール大群の指導者若しくは動力源がこの地点にあると思われます。」


全員は説明を注目していた。


「あそこはグールうようよいるのではないか?」


プテェン皇帝は質問した。


「はい、その通り・・・だがそこを叩けば、グールの進行が止められると考えられます。」


「でもそれはあくまでも、可能性の一つですよね?」


チュー主席が疑問を露呈した。


「ああ・・その通り・・ですが、我々には時間がないのです。このままの速度でグールの侵略が進むと・・・我々全員、種族関係なく、後1年ほどで絶滅します。」


全員は凍り付いた。


「我々、人類魔法科学会のメンバー、亜人各種族の魔法科学会のメンバーと同じ結論に至った。」


全員は驚きの目でシュルアーズ連合大統領を見た。


「そこで一つ提案したい・・・魔石大型爆弾投下で周囲のグールをできるだけ消滅させ、結界破壊大型爆弾を投下し、結果が消滅した後、再起動される前に少数精鋭で黒いオーラが渦巻いている神殿へ侵入し、そこを破壊する。」


「少数精鋭?・・・片道切符、地獄まっしぐらの特攻隊にしか思えないだろう。」


ファイスタス王は真剣な表情に聞いた。


「その通りです。」


「要する志願した連中が戻れないのだな・・・」


オーガ王、ガラペラスは頷きながら話した。


「一応緊急用の帰還転送魔法を持たせますが、転送先はカプラン島です。」


カプラン島、この世界最大の無人島で火山活動の影響で空気に猛毒が漂う場所でもあった。


「仕方ないだろう・・・グールを転送させるわけにはいきませんのだ。」


シェランプス大統領は呟いた。


「シュルアーズ連合大統領、ご苦労・・・下がってよろしい・・・それでは皆様方に提案です。我が教会から日頃の行いは手に余るが、文句なく最強の騎士を派遣します。各種族や各国から戦闘に長けた最強の厄介者を大至急に差し出していただけますか?」


公同正教の法王、エベリストス5世は冷たい笑顔で全員に提案をした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ