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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゾンビの干物とアラートと。

※割と気持ち悪い表現があります。

ご注意下さい

ゾンビの干物とアラートと


・木崎はいつものネットショッピングサイトを開いた。新着に「干物警戒アラート」という温度計のような商品が多く並んでいる。(いぶか)しげに感想を読むと【この商品を見るな】とか【ゾンビの干物館には行くなよ!】とか【館内のパワーエキスも買うな】などと書いてある。星の評価は1.8だ。


木崎は気になって情報を調べ、ゾンビの干物館を訪ねた。幸いにも休館日ではなかった。入口には折りたたみのパンフレットと、扉に「ご注意!」と但し書きがしてあったが、文字が小さかったので無視して中に入った。


次の部屋はやや大きく、やたらと出口があった。普通はこういう資料館などの類は入口から遠い部分に出口があるものだ。左右を見ると、ゾンビ病とか症状についてなど、干物とはおおよそ関係のない説明が並んでいる。ここもスルーする。


次の部屋には人が居た。いや、その前に、なんか香りのよい「チップス」が手元?に見えたのでつまんで食べた。例によって、注意書きのオンパレードだったが…。


3歩ほど前に進むと「ひっひっひ、貴方も食べてしまいましたね」という白衣を着た研究者のじいさんと遭遇(エンカウント)した。


気色悪いなと思っていると 、

「貴方が召し上がったのはゾンビの干物です。ちなみに一度でも口にすると、近い将来ゾンビ病を発病します」と言う。


訳が分からず混乱していると…、「嘘だと思っていますか。そのゾンビ病は免疫異常を引き起こし、精神に異常を来たし、発病者を広げようとするのです。発病率は100%」


思わぬ展開に、口の中がカラカラになる。


「おや、大丈夫ですか? ここの館ではゾンビ病を解析した技術から生まれた「干物館特製パワーエキス」を1295円(税込)で販売しています。これを一ヶ月に一瓶の割合で飲むと、ゾンビ病の発症を抑えられますよ(棒読み)」


その前に棒読みは辞めろと思ったが、どこに売ってるのか聞こうとして(言葉が出ずに)前方を指差す。


「そうそう。奥の売店で売ってます。干物のサンプルをお召し上がりになった方、ほぼ全員がお買い求めになられますね」


喉が痛い。唾液を飲み込む。


「ああ、パワーエキスを飲まなかった場合ですが、免疫の個人差が有りますが、この説明をお聞きになってる途中で亡くなった方もいれば、100歳近くまで発症しなかった方もいると聞いてます」


……。


「折りたたみパンフレットや館内のあちこち、あるいはホームページなどでゾンビ病に関する注意喚起を行っているんですが…」


そのじいさんを置いてきぼりにして、木崎は売店に走った。走った、つもりだった。

(ちなみに干物警戒アラートというのは記念品で、発症までのタイミングが白→黄色→赤色で分かるというツールだ。じいさんの説明を最後まで聞くと貰えるらしかった)


嗚呼。

からだが、沸騰しそうな気が…する。なんか、匂いも臭いし。ね………よ……う。


背後から「ひっひっひ。これは過去最高の上物ではありませんか!」という声が聞こえた(気がした)


その白衣の手も、緑色なのだが。

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― 新着の感想 ―
なぜ木崎は、なんの躊躇もなく、チップスを食べたのか? なにか催眠のような効果が館内にはあったのかもしれない。
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