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薄紫

作者: 檸檬

何処か遠くのゆらめきに似た小さな海の中に

回転木馬が廻り続ける


曇り空の中に風が流れだす、勝手口から聞こえてきた誰かの煙をくゆりながら吐く息


深い眠りから目覚めたときの夢の温度は涙となる


話しの途中には雨に濡れた落ち葉がいつも喉の蓋となり


肺の中は蒸されてゆくみたいに熱い


曇り空の中華テーブルには


菖蒲、藤、フジツツジの薄紫が映える水胸すいきょう


優しげな中華の彩り


少しだけでも美味しい話に変えて


火加減をじっとみて、


大切な誰かを思う、魔法をかけて


曇り空の中華テーブルに並べてゆく


何処か遠くの小さな海から、何処の森へも駆けてゆける気がする


竹笹が水源の器を泡立てて緑鮮やかに薫らせる


いつの間にか中華テーブルの蒸し料理は無くなっていて


木漏れ日が散りばめられたお皿がわたしの目の前にある


そのお皿はあのひとにはちゃんと届くと信じながら薄紫の花弁を寄せ集めていた手のひらにも似ている




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