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30. ミコト様 再び

『魔素アップロード率 0.5%』

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『魔素アップロード率 1% 神空間にアップロードされた魔素量が規定値に達しました。個体名:楓の魔素蓄積量の減少を確認。確認されました。ガウスへの貢献度が規定値を超えました。神界との接続を開始します。』

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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『神界との接続が完了しました。マスターの意識を転送。完了しました。』



「やぁ。起きたかな。アキラ君久しぶりだね!」

「ん、え?ミコト様? 俺また死んだんですか?」

「いや、そんなことないよ。楓を助けられたら、こちらに来られるようにしておいたのさ」

「師匠を助けられたら?まだ完全に助けられたというわけじゃないですよ」

「そうそう、それでも君はすごいことをしたんだよ。と言うわけで君にレンズをプレゼントしよう」

「え、いや、え?レンズをプレゼント?というか全然話が見えないのですが」


 ミコト様からの説明を要約すると、

 俺は、師匠の魔素を想定以上に吸収したらしい。

 吸収した魔素はソラちゃんとの繋がりを使って神空間へ流すことになっていたが、その経路(パス)はまだ細く大量の魔素を流すと経路(パス)が壊れるためメーティスさんが吸収した魔素を徐々に神空間へ流す作業をしたと。

 んで、規定の魔素値が流れたことで神界へ接続する条件が揃い、ミコト様に再び会うことができた。ということらしい。

 うん、そこまでは納得した。


 問題はそこじゃなくてですね。まずは、交換レンズのプレゼント。

 師匠の魔素を吸収して一時的とは言え、世界を救った英雄ということで、褒美があるのは理解できる。

 なぜに交換レンズなのかと。ステータス向上とかチートスキルの付与とか色々と選択肢があるじゃないですか?

 それを差し置いてなぜ交換レンズを。まぁ嬉しいけどさ。


 そして、何より説明を要するポイント。それはミコト様の格好だ。


 青緑を基調とした中学生の制服。赤いリボンを胸元で結び、ショートボブの水色の髪。

 特徴的な左目の眼帯。「私が死んでも代わりはいるもの」とか言いそうな雰囲気がある。


 いやもうね、そのクオリティの高さよ。

 ミコト様が須佐之男命すなわち男神で男の娘だとしても見惚れてしまいそうになる。


「あ、この格好気になる?気になるよね!どうだい。完璧に綾」

「ストーーープ。それ以上は言っちゃダメだ」


「あなたは死なないわ、私が守るもの」


 言いやがった。これ以上は危険が危ない。

 ミコト様を止めなきゃ。


 逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。


「と言うわけでだね。このコスプレを撮影してもらうためのレンズを君に渡そうと思う」


 そう言うことか!

 なんで交換レンズかというと、コスプレ撮影のためだったようだ。

 神とは欲望に忠実な生き物なんだな。ミコト様が特殊なのかもしれないが


「いろいろと突っ込みたいところはあるけど、とりあえずどんなレンズか聞こうか」

「聞いてくれるかい!アキラ君のために結構いろんな動画を見て選んだんだよ」

「動画?動画を見れるの?」

「もちろん、見れるさ。神だからね」


 でた、神だから発言。それで大体解決できる便利ワード。

 実際、そうなのだからタチがわるい。


「で、ミコト様はどんな動画を見たのさ」

「ちょっと深夜ラジオっぽいおじさん2人組の動画でね。その2人は部長と委員長と呼ばれてるんだけど、写真系の機材をいろいろと紹介しててるのさ」


「あー、俺も見たことある。話が長いんだよな」

「そうそう、話は長いけど面白くてね。で、その番組の中で勧めていたのがこのレンズだ」


 まさか、生前に見ていたチャンネルの話が出るとは思わなかった。

 ミコト様が取り出したレンズは、いつか欲しいと思っていたレンズだった。


 ポートレート撮影のために作られたと言っても過言ではないレンズ。

 Tomranの35−150mmF2-2.8という特殊な焦点距離をカバーしたレンズだ。

 ポートレートでよく使われる85mmを中心に、ズーム範囲を広げたというレンズだ。F値もF2始まりと明るいレンズである。その分重たいのは仕方ない。


 レンズをもらったのはいいが、これスキルのカメラに取り付くのだろうか?

「で、どうやってレンズを交換するんだ?」


「知らないのかい?カメラ側のロックボタンを押しながらレンズを回すんだよ?」

「普通のカメラならな。でも俺のはスキルだろ?どうしたらいいんだ?」

「確かにそうだね。まず、レンズを持って、ユニークスキルを発動させる。でレンズ交換と念じると代わるよ」


 俺は言われた通り35−150mmF2-2.8を手に持ちユニークスキル撮影者を起動する。

 すると、手に持っていたレンズが消えた。代わりに手元に20−40mmF2.8が装着されている状態のカメラが出現する。続いて“レンズ交換“と念じる。20−40mmが消え、35−150mmが装着される。


「おおおおおお。交換できた。結構重い。スキルのくせに重さはちゃんと再現されるんだな」


 コンパクト性を重視したカメラだと、持つのに苦労するな。


 試しに、ファインダーを除く。

「全然違うな。焦点距離の違いもあるが、F2の明るさがいい」


 カシャ、カシャ


 いくら撮ってもこの空間は真っ白だから

 何か被写体が欲しいところ・・・


「今、被写体が欲しいな〜。試しに撮影したいなぁって思ってない?」

「ぐ、なぜそれを」

「君の顔を見ればわかるよ。長いこと君を見ていたんだからね」


 くぅ。可愛い。しかし、ミコト様は男。男の娘なんだ。変な扉が開いてしまいそうだ。


「ほらほら、このコスプレを撮影したいよね。この完成度だよ。撮影したいよね?ね?」


 これは、顔を見ればわかるとかじゃなく、撮影して欲しいだけだ。

 ドキドキして損した。いや、ドキドキするのもおかしいが。


「じゃあ、スタジオに行くよ!」

「スタジオ?」




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ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。


もし物語を少しでも楽しんでいただけたようでしたら、

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今後の執筆の力になりますので、応援していただけたら嬉しいです。


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