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第五十二話

その時、白い光が部屋中に広がり「滅びの光」を優しく包み込んだ。

「滅びの光」の体中にある目から涙が零れ落ち、

「滅びの光」の体はどんどん溶けていき魂が姿を現す。

その姿は一ひきの紫のうろこが光る大きな竜だった。 


「その昔、迷える魂を導き死者の国を作った。しかし、そのうち魂の汚染を受けすぎてさっきの「滅びの光」へと変わってしまったらしい。ありがとう。」

その竜の魂が安らかに消え、神殿の中に再び静寂が訪れた。

怠惰と崩壊はその場に立ち尽くし、光が消えていった場所をじっと見つめていた。先ほどまでの禍々しい闇の気配は完全に消え去り、代わりに穏やかな空気が漂っている。


「…終わったのか?」崩壊が小さくつぶやく。


怠惰はまだ剣を握りしめたまま、光の消えた場所を見つめていた。

「あの紫の竜…迷える魂を導いて、死者の国を作ったって言ってたよね。だけど、魂の汚染であんな姿に…」


崩壊は少し眉をひそめながら答えた。「どんなに強い存在でも、汚染や苦しみには耐えられないんだろうな。だけど、お前が呼びかけたおかげで救われたんだろう。…やるじゃないか、怠惰。」


怠惰は照れくさそうに笑いながら「いや、僕も正直無我夢中だったし…。でも、よかったよ。最後はあの竜が安らかに眠れる形になって。」


二匹は安堵の表情を浮かべるが、ふと崩壊が神殿の奥を見て「ところで、この先どうする?滅びの光は消えたけど、この神殿には他に何かあるんじゃないのか?」と言った。


怠惰はハッとし、辺りを見回した。確かにこの神殿にはまだ何か秘密が隠されているような気配があった。滅びの光が消えたことで、神殿の奥の方からかすかな輝きが見える。


「行ってみようか、崩壊。もしかしたら、死者の国や僕たちの旅に関わる何かがあるかもしれない。」怠惰がそう言うと、崩壊は頷き、二匹は神殿の奥へと足を進めた。


---


神殿の奥に進むと、そこには一つの祭壇があった。祭壇の中央には透明な結晶があり、中には小さな光が揺らめいている。その光はどこか懐かしさと温かさを感じさせるものだった。


「これが…?」怠惰が結晶に近づき、そっと触れようとすると、突然その光が大きく輝き、二匹の前に現れたのは透明な姿をした魂のような存在だった。


その魂は柔らかな声で語りかけてきた。

「来てくれてありがとう。私はこの神殿の守護者…いや、かつては『滅びの光』の力を封じる役割を担っていた存在です。」


怠惰と崩壊はその言葉に耳を傾けた。


「滅びの光の浄化を成し遂げてくれたお二人には感謝します。おかげで、この地に平穏が訪れるでしょう。しかし、ここで終わりではありません。あなたたちの旅は、さらに過酷な試練を迎えるでしょう。」


怠惰は緊張した面持ちで尋ねた。


「過酷な試練って…それはどういうことですか?」


魂は少し悲しげに目を伏せた。

「死者の国の奥には、さらなる闇と試練が待っています。お二人がここまでたどり着けたことは希望を示すものですが、D.P.の者たちもまた、死者の国へ足を踏み入れています。彼らの目的は…この国の力を手にし、より一層力を蓄えること。」


崩壊は拳を握りしめて言った。

「やっぱりあいつらが来ていたのか。放っておけば、この死者の国も奴らに滅ぼされるってことか。」


魂は頷き、再び語り続けた。

「その通りです。そして、あなたたちにはこの国の力を守る使命があります。ロスタルガの中心部にある『生と死の門』を目指してください。その門を守る力が、この国の未来を決めるでしょう。」


怠惰と崩壊はお互いに視線を交わし、深く頷いた。「分かりました。僕たちがその門を守ります。」

怠惰は聞く。

「そういや、僕の頭にはなしかけたのはあなたですか?」


魂は答える。

「それについては、、『生と死の門』に行けば分かります。」


魂は二匹に微笑みかけ、光と共に姿を消した。そして祭壇にあった結晶が砕け散り、中から眩い光の粒が舞い上がり、怠惰と崩壊の体を包み込んだ。その光は二匹に新たな力を与えたように感じられた。


「これが…死者の国の力…?」怠惰が手を見つめながら言う。


二匹は決意を新たにし、ロスタルガの中心部を目指すために神殿を後にした。果たして、生と死の門で待ち受ける運命とは――

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