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第五十一話

二匹が目の前の光景に釘付けになる中、闇と肉塊でできた怪物「滅びの光」は、その異形の姿をゆっくりと動かし始めた。目玉が幾つもこちらをじっと見つめ、うごめく肉の中から響くような低い呻き声が神殿全体に反響する。その存在感だけで怠惰は足が震え、剣を握る手に力が入らなかった。


「…あれが…『滅びの光』…?」怠惰は震える声でつぶやいた。


崩壊も目を細め、険しい表情を浮かべて怪物を睨みつけた。「厄介な相手だな。だが、ここまで来て引き返すわけにはいかない。」


その時、白い光がどこからともなく現れ、滅びの光を包み込むように輝き始めた。その光は暖かく、どこか安心感を与えるものでありながら、その中に圧倒的な威厳を秘めていた。


怠惰はその光を見て、以前頭の中に響いた声を思い出した。「…この光、あの時の…!」彼は戸惑いながらも、その光が何をしようとしているのか注視した。


白い光は怪物を包みながら静かに語りかけるような声を響かせた。


「滅びの光よ…お前はここで長らく世界に災いをもたらす存在として封じられてきた。しかし、ここに来た者たちが希望を抱いて前に進んできた。その力に免じて、今一度問いかけよう――お前は滅び続ける道を選ぶか、それとも…?」


怪物は一瞬動きを止めたように見えた。しかし次の瞬間、目玉がぐるぐると動き出し、肉塊が膨張していく。まるでその問いかけに反発するかのように、禍々しい闇がさらに濃く広がり、神殿全体を覆い始めた。


崩壊はすぐに怠惰の肩を掴んだ。「怠惰、何か起こるぞ!気をつけろ!」


その言葉が終わるか終わらないかのうちに、滅びの光は絶叫とも思える咆哮を上げ、その闇の一部が二匹へと向かって飛びかかってきた。怠惰は反射的に剣を構え、光を放って闇を弾き返した。


「危ない!僕たちを拒絶してるみたいだ!」怠惰が叫ぶ。


崩壊は地面に力を込めて衝撃波を放ち、迫りくる闇の一部を吹き飛ばした。「どうやらこいつ、自分が封印されていた理由を認めたくないみたいだな。なら、力づくで理解させるしかない!」


怠惰と崩壊は協力して闇の怪物に立ち向かい始めた。しかし、滅びの光はその名の通り、破壊と絶望を象徴する存在。光と闇、希望と滅びの激しい戦いが神殿の中で繰り広げられた。


---


戦いが続く中、怠惰の頭の中に再びあの声が響いた。


「怠惰、思い出してください。『希望』とは光だけではなく、受け入れる心でもあるのです。滅びをただ打ち負かすのではなく、その闇を抱きしめることができるか…それが試練です。」


その言葉に怠惰はハッとした。そして怪物の様子をもう一度よく見た。確かに滅びの光は攻撃してくるものの、その奥にはどこか寂しさや苦しみが見え隠れしているように思えた。


「崩壊!ちょっと待って!」怠惰が叫んだ。


「何だ、今はそんな余裕ないぞ!」崩壊はゾンビのように飛び出す闇の一部を吹き飛ばしながら言い返す。


「でも、戦うだけじゃ解決しない気がするんだ!僕たち、間違ってるかもしれない!」怠惰は剣を下ろし、怪物に向かって一歩前に出た。


崩壊は驚きながらも怠惰の行動を見守った。「おい、無茶するなよ!」


怠惰は怪物をじっと見つめ、叫んだ。「お前が怖がってるのは分かる!封じられてずっとここにいて、誰にも理解されなかったんだよね!でも、僕たちは違う!お前をただ倒すために来たんじゃない!話を聞かせてくれ!」


滅びの光はその言葉に反応し、動きを止めた。目玉の一つがじっと怠惰を見つめ、周囲の闇が少しずつ静まり始めた。


果たして、滅びの光は怠惰の声に応えるのか?それとも、再び二匹を拒絶するのか――

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